ねこ好き?
そして土曜日がやってきた。
作戦通り、藤也がやってきた。
…やっぱりガチなやつだった。
いやさ、オレは当日まで期待してたんよ。
あんなのうそだよ〜って言われるのをさ。
でも…
小春ちゃんと遊ぶ三十分前に、きちんと藤也はやって来ました。
…
じゃあ、どうぞって友達をクローゼットに案内するとか…初めてだぞ?
まぁ、まだ小春ちゃんが来るまでに時間があるから、クローゼット行きは、まだだった。
で、ねこがみたいなっていうから連れてきたんよ。
二匹
そしたら、藤也がめっちゃ驚いてさ。
二匹も⁈やっぱり来といてよかった〜って言いだしましてね。
なんなら、ブラシある?とか言いだして…うちのニャンズたちを念入りにブラッシングしだした。
…
どんだけ、ねこ好きなん?
過保護でもあり、ペットも大好きってか?
優しいに溢れてるやん。
わざわざ隠れなくても、別の日にうちに遊びにきたらよかったんじゃなかろうか?って少し思う。
ブラッシングをして満足したのか藤也は、ねこたちをナデナデして、バッグからとあるものをだした。
「ブラッシングしちゃったからコロンコロしなきゃね」
と、まさかのそれ持参…?
しかもコロンコロって…
ねこ大好きやん
「えっ?それっていつも持ち歩いてんの⁉︎」
「そんなわけないよ」
って藤也は、笑った。
…オレは笑えんよ?
なんでそんなの…持ってきたー⁈
もうさ、藤也がいまいちわからないですわい。
トリマーになりたいとか?
…
「てかさ、このねこ…お腹少し膨らんでない?食いすぎか?」
「あー、もしかしてお腹に赤ちゃんいるかもだわ」
「えっ⁉︎マジ⁉︎」
とても驚く藤也。
「あー、うん。たぶんね」
「そっかー…そうきたかー…」
「なんで?」
「やっぱり海斗はすげーな。顔整ってるし、ねこ妊婦だし」
「え?どういうこと?」
「ひきよせる力ってやつ。ねこが妊婦かー。ヤベーな」
…
いや、やたら妊婦ねこに敏感な藤也。
「そっかー。そうなるかー…こねこってかわいいよな。海斗カッコいいし…」
「え?どういうこと?オレこねこの父親じゃないよ?」
「そりゃそうだわ」
「あ、そろそろ時間だ。オレ小春ちゃんお迎えに行ってくるね」
「おう、オレはクローゼットで待機するわ」
「うん」
…
藤也の言葉の意味がわからないまま、小春ちゃんを迎えに行った。
小春ちゃん迎えに行ったら、藤也が普通に部屋にいてくれないかなぁ。
ドッキリでしたー‼︎ってさ。
だからオレは、ドキドキしながら部屋に行ったよね。
まぁ、小春ちゃんがいるから余計ドキドキだけどさ。
どうかこのままドッキリでお願いします‼︎
…
でもさ、やっぱり部屋のドアをあけたらシーンとしてたよね。
…
やっぱり冗談じゃなかった。
ガチでちゃんと、隠れてるっぽい。
でもさ?
ある程度の時間になったら、びっくりサプライズーって登場しないかな?って淡い期待をしておりました。
…
でも、一時間しても藤也は出てきませんでした。
ガチの方ですね。
それから何事もなく時が過ぎまして、オレは小春ちゃんを見送ることになった。
いいんか?
ガチで小春ちゃん帰るよ?
ネタバラシないんか?
このまま小春ちゃんが帰ってしまったら…完全にガチやん。
…
でも、結局小春ちゃんが帰るまで藤也は、クローゼットにおりましたね。
ガラガラとクローゼットをあけると、藤也は
「ごめんなぁ。変なこと頼んじゃってさ。そろそろオレもおいとまするわ」
と、クローゼットから出てきて帰って行きました。
…なんだったんだ⁉︎
妹が心配すぎる兄貴なのか、それともオレたちが進展しないように監視しているのか…
わからない。
でも…
ひとつわかることは、小春ちゃんはかわいいってことだ。
オレには妹がいないから、そこらへんはイマイチわからないけど、あんなにかわいい妹がいると、兄ってやつはそんな行動をとってしまうのかなぁ⁇
オレ…どんどん小春ちゃんのこと好きになっているんだけど…
でも、そんなこと藤也に言ったらどうなっちゃうんだろう?
…
でも、聞かなきゃだよね。
小春ちゃんに告白して、うまくいくかいかないかは、わからない。
でも、告白してから藤也から違う意味で衝撃告白とかされたら大変だから、早めに藤也には、オレのおもいを伝えなきゃだ。
今日の放課後にでも…言おう。
続く。