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異世界デスゲーム  作者:
幼少期
9/14

殺人鬼

 最近よく、クレア達と遊んでいることが多くなった。

 まあ、暇はしないからいいのだが。

 今日は、街を探検しようということだった。

 なんともまあ子供らしいことだ。


 「ラウス!」


 騎士に話しかけられた。

 こいつはハワードだ父の友達だ。

 以前家に来て俺を気に入ったようで街で会うと必ず話しかけてくる。

 うっとうしいやつだ。

 こいつは一応騎士でこの都市ノースの治安を維持するために働いてるのだ。


 「どこ行くんだ?」


 「探検」

 

 「なら魚を買って帰りな」


 いい提案だな。

 ノースは、海に面しているため新鮮な魚が市場で売られている。

 魚を買ったらきっとマリーは喜ぶだろう。

 ハワードはルイスは魚が嫌いだと知っている。

 悪いやつだ。

 ハワードから離れて仲間達と探検していると配られている新聞をクレアが見つけて持ってきた。

 

 「なんで、新聞なんか持ってきたんだよ?」


 「それが興味深いものが書いてあったのだよ」

 

 「なんと…『殺人鬼出没!』と書いてあるんだよ」


 とクレアが新聞記事を指さしてウキウキで言った。

 そこにはなんとこれまで10人以上もの人を殺していると書いてあった。

 被害者は、家族で子供だけが残っているという。

 同じだ、いや、偶然かもしれない。

 俺の家族がゆうとに殺されたときと似ている。

 偶然かもしれない。

 もしかしたら転生者で、手当たり次第に殺していて子供は殺せなかっただけなのかもしれない……

 その殺人鬼が転生者で殺せば競争者は減るだろう。

 いや、よく考えろ俺。

 そいつを俺が殺したところでまた新たに転生者がいるのだと思われてしまう。

 ここは騎士団に任せておくのが一番いいのではないか。


 「殺人鬼がどうしたのクレア?」


 「よく聞いてくれたね」


 「僕たちでこの殺人鬼を捕まえないか?」


 「本当に言ってるの?!」


 俺達は驚愕した。

 まさかそんなことを言うとは…

 そんなことをして殺されてしまうのは、俺は嫌だ…

 そんなことをしなくてもいずれ騎士団が捕まえてくれるだろうし。

 

 「でも、なんか面白そう」


 「駄目だ!!」


 俺はきっぱりと言った。

 そんな興味本位でしてはいけない。

 もしゆうとだとしたら本当に危険だ。


「そんなことは騎士団に任せておけば良いのだ」

 

「危険過ぎる!」


 「実は、犯人の目星がついているんだ」


 「なら、さっさと騎士団に通報しておけ」


 「わかった通報するよ」


「でも、確証もないのに決めつけてしまっては可哀想だろ?」


 「それでも!!」


 いかん、感情的になり過ぎた。

 この問題は俺達がやるべきことではない。


 「ふん、ならいいよ」

 

 「ラウス抜きでやるから」


 「なぁ二人共?」


 「うん、面白そうだからやってみたい!」


 「こんな面白いことやるしかない!」


 二人は賛成だった。

 やめてくれ…こんなことでこいつらを失いたくない。

 止めようと努力しても無駄だろう。

 俺は決心した。


 「仕方が無い俺も同行しよう」

 

 「なんだラウスもしたかったのではないか」


 「そのかわり、危険だと思ったら即撤退か通報だ」


 「わかったわかった」


 俺は反対しているがメリットがない訳では無い。

 もし、殺人鬼が転生者だとしたら一人減らせることになるからだ。

 それでも、もし本当にクレアが目星をつけているやつが殺人鬼で俺達のことが知られてしまえばおそらく殺人鬼は、躊躇なく殺しに来るだろうな。

 待てよ、俺が先にその目星がついているやつが殺人鬼かどうか分かれば仲間達は安全だ。

 幸い俺は魔法が使えるからそいつが殺人鬼だとしても倒せる。

 ちょうど訓練代わりにはいい。

 そうと決まればクレアに目星がついたやつのことを聞くしかない。

 

 「おい、クレアその目星がついたやつとは誰のことなんだ?」


 「マイケル・ホワイトだよ」

 

 「あの最近辞めてしまった肉屋の人」

 

 「やけに挙動不審だったの」


 あの人か、あの温厚そうな体格が大きい。

 あの人は転生者ではないと分かる。

 転生者は今は5歳から10歳だと神から教えられている。

 見た目を変えることができる神器があることを忘れていない。

 それでも神器は、10歳の子供が取れはしない。

 マイケル・ホワイトは転生者ではないと言える。

 あの人はとても10人も殺すような人ではないと思う。

 ましては、家族がいる。

 そんな人があんな子供だけを残す、残酷なことができるのか。

 本当かどうかは確かめてみなければわからないことだ。

 今夜、その真相をつきとめる。

 俺はどんよりとした夕焼けを見ながらクレアと一緒に家に帰った。

 そういえば魚を買うのを忘れていた。

 そんなことを思い出したのは家の前だった。

 仕方が無い、せっかくルイスの嫌そうな顔が見れると思ったのに。

 そんなことを考えて扉を開けた。

 そうして家の中に入ろうとすると当然のごとくクレアが一緒に入ってきた。

 

 「なに入ろうとしているんだ!?」


 「なにって今日はここに泊まろうかなって思ったのだけど」


 クレアの両親は早く家に帰ってこないから一人でいつも寂しいとクレアが言っていて時々泊まっているとはいえ、よりによってなんで今日なんだ。

 

 「明日の為に作戦会議をしようと思ったのだよ」


 「明日殺人鬼かどうか暴こうとしていたのか!?」


 「当然だ、早くしないとどんどん殺されてしまうからな!」

 

 それもそうだが。

 こいつが夜にちゃんと寝るやつだからいいのだが。


 「夕食できたよ!」

 

 マリーが俺らを呼んだ。

 ちょうど俺は殺人鬼かどうかの確かめ方を考えついたところだった。

 だが、クレアの作戦会議とやらはまだやっていない。

 

 「クレアちゃん相変わらずいい食べっぷりだね!」


 クレアはかなり多く食べる。

 常人の2倍は食べるのではないかな。

 ルイスは、最初にマリーがここに泊まりにきたときの食べっぷりには驚いていたがこの光景は見慣れてきたのかあまり驚かなくなっていた。

 

 「ごちそうさまでした!」


 「ラウス早く作戦会議するよ」


 「まだ、食べ終えてないんだよ」


 クレアは、食べるのも速い。

 

 やっと俺はご飯を食べ終えた。

 部屋に行くとクレアが待っていた。


 「遅い!!」


 「お前が早すぎるだけだ」


 「では、殺人鬼捕獲作戦会議を始める」


 捕まえはしないと言っただろう。

 作戦会議を始めてから何時間が経過したときクレアが眠ってしまった。

 今がチャンスだ。

 クレアが寝ている隙にマイケル・ホワイトの所に行こう。

 

 

 

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