モンスター
モンスターがいると神は言っていたが俺はこの世界に転生してから一度も見たことがない。
試しにルイスやマリーにモンスターのことを聞いてみたがは空想上のものだと言われてしまった。
また、魔王のことも聞いたが魔王については名前すら知らないらしい。
どういうことだ。神は嘘をついたのか?
嘘をついているのならば教えられた情報は偽りの可能性が出てくる。
モンスターのことを調べてみるしかない。
調べてみようとも手がかりがない。
そういえば! 森に行くことは禁止されていたそこに何かあるかもしれない。
早速森に行こうとしようと扉を開けた瞬間クレアが目の前に立っていた。
「ちょうどいい、今から遊びに行くところだったんだ一緒に行かないか?」
「いや、ちょっと用事があるから」
「なんの?」
「言えない」
「何かやましいことがあるのか?」
本当にこいつは鬱陶しい。
思考が読めない。
俺のことなんかほっといてくれよ。
「どうして俺なんかに構うんだ?」
「友達だからだよ」
友達? 友達という存在は鬱陶しいものだな。
俺の邪魔するのなら友達などいらない。
ゆうとのように友達など信用ならない。
「友達なら帰ってくれ!!」
そう俺が言ってクレアは帰っていった。
言い過ぎたかもしれない。
俺は森に向かった。
森についたがそこにあったのは、壁だった。
なぜ森ごときに壁を建てる必要があるのだろうか?
ますます怪しいなにか隠しているに違いない。
どこかに入れる場所がないかと探していると門があった門番もセットで。
よく見ると門番は、騎士だ。
強引にあそこの門から入ったとしてもすぐに捕まってしまうだろう。
騎士は魔法を使うことを許されているからだ。
あの手を使うか……
魔法を使う!
壁に足場を階段状に創ってそこから上がる。
門番にばれないような位置に来た。
「出現せよ足場!」
そう言って壁に足場が生えてきた。
頭の中でどこにどうするかイメージすることでどこに出すか決めれると攻撃の仕方を考えていたときに発見したのだ。
誰かに見つかる前に登ってしまおう。
走って登っていくと踏んだ所が数秒後が崩れていった。
まずい、支えがなくて体重で折れてしまったのだもう五メートルくらいまであがってしまった。
早く登りきらないと落下してしまうこの高さでは怪我をしてしまう。
もう、すぐそこまで崩れてきた。
すぐそこに頂上がみえた。
今踏んでいる足場が崩れそうになった瞬間俺は、飛んだ。
間一髪のところだったが何とか助かった。
もっと先のことを考えていればこんなことにはならなかった。
喉が渇いた。
「出現せよ、水」
そう言って水を出した瞬間いきなり頭痛に襲われた。
そうだったもうそんなに使ってしまっていたのか。
魔法は使いすぎると頭痛に襲われてしまう。
うっかりしていた。
しばらくは、このままだ。
少し時間が経ってから俺は、森に入っていった。
転生前の世界の森とあまりかわらないようだ。
見渡す限りは普通の森となんら変わりない。
本当になにもないのか?
それにしても怪しすぎる。
そう思って探索していると、何やら話し声が聞こえてきた。
すぐさま俺は木の裏に身を隠した。
「俺びっくりしちゃいましたよ、まさかあんなのが存在しているなんて」
「無理もないよ」
「俺も最初に来たときは驚いたよ」
『あんなの』とはなんだそれはすごく重要な気がした。
そいつらは二人組で騎士の格好をしていた。
あいつらに付いていけばなにかあるかもしれないそう思って付いていくと小さな小屋のような場所に着いた。
二人組が入っていったがこれ以上はもう行けない。
二人が出て行った後に確認してみよう。
昼頃になると男達が小屋から出てきた。
今がチャンスだ。もしかすると昼食を食べにいったのかもしれない。
男達が完全に何処かに行ったあと俺は小屋に近づいた。
扉を開けようしたがどうやら鍵がかかっているようで扉が開かなかった。
どうしたものか……
辺りを見渡すと偶然にも鍵らしき物が地面に落ちていた。
俺は運がいい!
そう思って拾って鍵穴に入れた。
その瞬間俺は、鍵を落としたことに気づいて取りに帰りに来るかもしれないと思った。
ここでチャンスを逃してしまえばもうないかもしれない。
ガチャ
俺は悩み抜いたすえに扉を開けた。
扉の中には何があるかという好奇心から開けてしまった。
そして俺は中に吸い込まれるように入っていった。
俺はそれを見て驚いたのと同時に歓喜した。
そこにいたのは、ドラゴンだった。
羽が生えていて角と牙があり爬虫類のような見た目のあのドラゴンだ。
と言ってもまだ小さかったが。
ドラゴンはこちらをキョトンとした目で見てきた。
まさか国はこれを研究しているのではないのか?
それならここを隠しているのにも納得がいく。
これを公表したのならば世間は大騒ぎだろうからな。
でも疑問に思ったことがある。
それはこのドラゴンしかいないのかということ、またドラゴンは何処から来たのかということだ。
また謎が深まるばかりだった。
ガッチャ
扉が開いた。
!? 誰だまずい……
扉を開けた人物はクレアだった。
「どうして……」
俺は無意識に声が出ていた。
「そんなことはいいから急いで!!」
そう言ってクレアは俺の腕を掴んで連れ出した。
小屋を出た瞬間に男達の声が聞こえた。
まさかクレアは俺を助けてくれたのか?
さりげなく鍵が地面に落としてあった。
男達が行ったあと。
「なんでいるんだ!?」
「君が魔法を使うとこを見たんだよ」
なんだと……
もしこいつが誰かに行ってしまったら俺の人生は終わりだ。
そもそもなぜこいつは魔法の存在を知っているんだ。
魔法は子供には教えてはいけないはずだ。
また、どうやってここに来れたんだ足場は壊れたはずなのに。
「もちろん君が魔法を使っていたということは誰にも言わないよ、友達だからね」
「ありがとう…」
本当かどうかは分からない
「なぜ魔法のことを知ってるんだ?」
「ついてきて」
そう言ってクレアは走っていった。
俺は言われるがままについて行くと壁の上側に着いた。
どうやって降りよう。
そんなことを考えているとクレアが何か言い出した。
するとたちまちロープが出てきた。
こいつは魔法が使えるのか!?
クレアはロープを使い降りていった。それに続き俺も降りた。
「君が疑問に思っていることを教えてあげるよ」
「そのかわり君のことも教えてくれよ」
そう言ってまたクレアが走っていってしまった。 それについていくとたどり着いた場所は、街外れの教会だった。
こんなところがあったのか…… なにかここにあるのか?
クレアと一緒に教会に入るとそこには、神の姿をした像があった。
神が信仰されているというのは、本当だったのだな。
「僕が魔法を使える理由は、この本にあるのだよ」
そう言ってクレアは俺に一冊の本を渡してきた。
表紙には、創世記と書いてあった。
こんな本は図書館で見かけたことがない。
一般に流通していないのか?
「この本は神について記されていたんだ」
「教会に始めて来た時にこの本を手に取ったんだ」
「読んでみると以外にも面白くて好きになってしまったんだよ」
「ある日この本に書いてある魔法を真似してみたらなんと、本当にできてしまったのだよ」
「冗談でやったつもりなのだがね」
つまりはクレアはこの創世記という本に影響されてやってみたところできてしまったのか。
あまり納得いかないが。
「なんで君は使えるんだ?」
「この本を読んだ訳ではないよね?」
どう答えたらいいのだ。
本当のことを言って転生者だと知られると大きなリスクになる。
いっそのことこいつを殺そうか?
ダメだ!
それではゆうとと変わらないじゃないか!
でもいつかは人を俺の手で殺すことになる。
そうしなければこのゲームには勝てない。
よく考えてみれば今こいつを殺してしまえば真っ先に疑われるのは俺だ。
「実はたまたま見つけたんだよね……」
苦し紛れに言った。
「すごい!!」
信じたのか? なんて純粋なんだ。
「なにかでないかなーって思ってたら出たんだ」
「すごいじゃないか!!」
面白いやつだこんないかになも嘘のを信じられるなんて。
「じゃあ魔法が使えることはお互いに秘密にしよう」
「わかった」
そう約束し、俺達は家に帰っていった。
あいつは俺に秘密を言ってくれた。
少しだけだが信用してやってもいいかもしれない。
面白かったらブックマーク、下の評価よろしくお願いします!




