転生
赤子の泣き声が聞こえる。
そうか、俺は本当に転生したのだな。
ということは、この赤子の声は俺の声だ。
体を見ようにも視界がぼやけていて見えづらい。
そうこうしているうちに母親らしき女性がこちらに手を伸ばしてきた。
驚いて俺は目を閉じてしまった。その瞬間ほのかに体に温かみが感じられた。
目を開けると母親らしき女性がやさしく俺を抱きかかえていた。
驚いたが俺は、今赤子だったな。
「あなたどうすればいいの泣き止まないのだけど」
母親らしき女性がおそらく父親に聞いた。
そうか俺は、泣いているのか。どうにかして制御できないものか。
隣から男がこちらを覗いてきた。
おそらく父親だろう。
少し強面だ。
「本当だ」
父親が俺を見て言った。
「どれ、貸してみろ」
と父親が俺を抱っこしてきた。
母親よりも腕がゴツゴツしていて居心地が悪い。
早く泣き止んで母親の腕に包まれたい。
泣くのをやめるためにに俺は深呼吸をしてみた。
どうやら効果があるようでだんだん涙が出てこなくなってきた。
完全に泣くのをやめることができた瞬間。
「お、泣き止んだぞ」
「どうだ見たか」
と父親がまるで自分が泣き止ませたと言わんばかりに言っていた。
俺が頑張ったから泣き止んだのだぞ。
泣いていたからか俺は眠気に襲われた。
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