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異世界デスゲーム  作者:
幼少期
11/14

世界改変

 転生してから6年が経過した。

 そろそろあの時がくる。

 まだ一度も転生者に出会っていない。

 ひょっとしたらもう出会っているなんてこともあるかもしれない。


 「おーい!」

  

 外からクレアの声が聞こえてきた。

 あいつ、帰ってきたのか。

 クレアは旅行に行くと言って一週間が経っていたのだ。

 

 「なんのようだ?」


 扉を開けるとクレアが立っていた。

 相変わらず何も考えていないような顔をしていた。


 「決まっているじゃないか!!」


 そう言って俺はいつものようにクレアに連れ出された。

 今日は、図書館に行きたかったのに。


 市場に出ると何やら見慣れない服を着た奴らがいた。

 制服のようだ、何かの仕事か?

 騎士ではないようだが。

 

 「クレア、なにか見慣れない奴がいるけど知っているか?」


 そう指を差して質問するとクレアが一瞬ニヤッと笑ったような気がした。

  

 「なに言っているんだ?」


 「あれは、軍人だろそんなことも忘れたのかね?」


 どういうことだ? 軍などこの国には存在していないはずだが、軍に似ている騎士団はあるが。

 そもそもなぜこいつが『軍』という言葉を知っているのだ?

 おかしいな。

 

 「軍って最近出来たのか?」


 「本当に何言ってるのかね、昔からあっただろ?」

 

 クレアが当たり前のように言ってきた。

 本当にどういうことだ?

 あぁ、わかった俺への盛大なドッキリだな。

 …………

 現実逃避はやめて一旦冷静になろう。

 クレアに騙されているということか、本当に前から軍があるということかのどちらかだ。

 しかし、クレアが嘘をついているとは思えないような言い方だった。

 俺が知らなかっただけか?

 そんなはずはない。

 

 「前からっていつからいたんだ?」


 「僕達が産まれる前からだよ」


 意味が分からない俺が産まれる前からも軍などはなかった。

 神の情報からもそんなものはなかった。

 神の情報にもなかったということは追加されたということではないのか?

 疑問を晴らすために俺はクレアを置いて急いで図書館に向かって走った。

 

 「よーぉ、ラウス!」


 図書館の前に来た瞬間背後から聞き覚えのある声が聞こえてきた。その声はハワードだった。

 俺は後ろを振り向いた。

 噓だろ……

 なんとハワードは軍の服を着ていた。

 ハワードは騎士だったはずだ。

 そして、今日はまだ一度も騎士を見ていない。


 「ハワード、お前騎士では、なかったのか?」


 「は?何言ってんだラウス?」

 

 これでほぼ確定してしまった、なぜこんなことが起きているのか。

 俺はハワードをあとにして図書館に入っていった。

 

 「やはりか」


 俺は歴史の資料を見ていた。

 その資料は前にも見たことがあったのだが中身が変わっていた。

 その資料の中では今までには、なかった敵対国があるようだ。前まであった騎士団がちょうど軍に置き換わっている。

 敵対国と戦争をしていたようだが今は停戦状態らしいが。

 こんなことができる犯人はもうわかっている。

 紛れもない神だ!

 おそらくだが神の狙いは、転生者を減らすことだろう。

 世界が改変されて元々あった学園が軍事学園になっている。この学園には強制的に入れられてしまうため転生者が少なからず集まることになるだろう。そこで、殺し合いをさせることが狙いだろう。

 俺的には、転生者が減って喜ばしいことだがリスクが高い。

 むやみに適当に殺しまくるやつが出てきてしまうかもしれないからだ。

 俺が殺されないとも限らない。

 悩んでいるとクレアがやってきた。


 「どうしたんだ?いきなり走り出して」


 「いきなり図書館に行きたい気分になったんだ」

 

 「そうか、なら今日は図書館で過ごそう!」

 

 「別に俺に合わせなくていいのだぞ」


 「友達は一緒にいるから楽しいのだよ」

 

 「では、ベルとダンを呼んでくるよ」


 友達か……

 未だに俺は友達がよくわからない。

 だが、これだけはわかる俺から離れてほしくないということだ。


 クレア達と図書館で過ごして家に帰った。

 いつも家に居るはずのルイスが今日はなぜだかいないようだ。

 

 「父さんはいつ帰ってくるの?」

 

 俺はマリーに尋ねた。


 「何を言っているのラウス? 父さんはまだ帰って来れないのよ」

 

 「何処に行ったの?」

 

 「国のお偉いさんのところよ」


 おそらくだが出張にでも行っているのだな。

 その後、ルイスのいない夕食はあまりにも静かだった。



 世界改変から十日が経っただろうか。

 ルイスは帰ってこなかった。

 どういうことだ帰ってこないではないか。ただの出張ではないのか?

 一応この世界の父親なのだから少しだけだが寂しい。

 ルイスは世界改変の影響で帰ってこれなくなっているのではないのか?

 そういえば、マリーがルイスは国のお偉いさんのところに行っていると言っていたな。

 だが、ルイスは改変前はただの設計士だったはずだ。そんなやつが偉いところに行くとは考えられない何かがあるはずだ。

 

 

 

 

 

 

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