マイケル・ホワイト
俺は上手く家から出られた。
向かうはマイケル・ホワイトの家だ。
あらかじめマイケルの家は把握している。
マイケルの家に着いた。
確かめる方法は、簡単だ。
それは、本人に直接聞けばいいのだ。
単純なことだ、俺がマイケルにありもしない証拠を出しそれであいつが逃げるか襲いでもしてきたら確定だ。
「すいません」
俺はあらかじめ魔法を用意し扉越しにマイケルを呼んだ。
「誰だ?」
マイケルがまるで何かに怯えているかのように震えた声で返事をした。
「こんな遅くにすいません」
「実は、昼間にそちらの開いている窓からボールを入れてしまって」
「そうか…」
「じゃあ、中に入りますね」
「だめだ!!」
そう言ってマイケルは何かを隠しているかのように妨げた。
ますます怪しい。
「何かあるんですか?」
「いや、僕が取ってきてあげるよ」
「そんな、申し訳ないから」
と言って俺はマイケルの体をすり抜けて家の中に入っていった。
「本当に行っちゃだめだ!!」
ドスッ!
そうマイケルが言った瞬間俺は誰かの体に当たった。
そういえばマイケルには家族がいるのだった。
当たった先の上を向いて見るとそいつは、マイケルの家族ではなかった。
その格好は街中でよく見かける鎧と剣そのままだった。
そいつは騎士だった。
「マイケルどういうことだ?」
「いや、あの…」
「その子は、なんか昼間にボールを入れてしまったみたいで」
「そうか、ならマイケル君が取ってきてあげなよ」
「そうしようとしたんだけど勝手に入って来てしまったんです」
「坊や、だめじゃないか人の家に勝手に上がっては」
なんだ、この男は妙な感じだ。というか何故この男はここにいる?
それはそうとして何か二人共隠している気がする。
興味が湧いてしまった。
その瞬間、俺は走り出した。
「だめだ坊や!」
俺は彼の制止を振り切って奥の部屋に入った。
そこには、氷漬けにされている女と子供がいる。
いや、正確には生首の女と子供が氷漬けにされている。
なんということだ。これはあの男がやったのか?!
騎士は、魔法を使うことを許可されている。だから、氷漬けにできてもおかしくない。
「だから駄目だと言ったじゃないか」
「どういうこと?」
背後から男が迫ってきた。
まずい状況だな。
後ろをゆっくりと振り向くと男が立っていた。
「これは、どういうことか説明してやろう」
「こいつがやったんだよ」
男はマイケルを指差して言った。
そうなのか?
「ほら、言ってみろ」
「ちがっ!」
「…………」
「いや、違くない…」
「俺はこの死体を発見して問い詰めている所だったんだ」
「安心しろ、この男は死刑だ」
「な!?やっ!!」
マイケルが男に向かって何か言おうとした。
その瞬間マイケルの首が跳ねた。
ゴロン…
辺りは血に染まり床にはマイケルの首が転がった。
かすかにだがマイケルがこちらを見ているように感じた。
え…
俺は困惑している、困惑している…
いったい何が起こったのだ…
男が剣を鞘に収めていた。
「ごめんな、坊やこんなものを見せてしまって」
「暴れようとしていたから仕方が無かったんだ」
本当に暴れようとしていたのか?
こんなにも躊躇なくあっさり殺せるものなのか?この男は何かしらが欠けている。
俺はこの男に恐怖をいだいた。
「もう、家に帰りな坊や」
そう言って俺は家の外に出された。
まだマイケルが死んだことが実感できていない。
空の色が赤く感じた。
翌日
ゴロン…
マイケルの首が俺を見ている。
やめろ、俺を見るな…
やめてくれ
「・・ろ!」
「起きろ!もう昼だ」
クレアの声が聞こえる。
夢か…
殺人鬼が捕まったのは良いことだか今だにあの光景が目に浮かんでくる。
「出かけるぞ!」
クレアは能天気でいいものだな。
あのことを考えるのは一回やめよう。
クレアに付いていくと新聞が配られていた。
クレアがそれを取ってきて青ざめていた。
「おい、嘘だろ」
「マイケルが死んだそうじゃないか!」
「僕の手柄が……!」
もう新聞に載せられたのか?!
新聞には『騎士団団長が殺人鬼を特定!』と見出しに書いてあった『殺人鬼マイケルは暴れて止む無く殺してしまったということ』と記事に載っていた。
さらに『マイケルは家族を誤って殺してしまった、そのときに殺すことの快楽に目覚めてしまったと供述していたとのこと』と書いてあった。
あのときの男はこれを聞いていたのか?
あの男は団長だったのか、名前はエヴァンスか…
新聞を読んでいるとベルとダンが来た。
「見たか!あの記事?」
「先越されちゃったね」
「ちぇつまんねえなあ」
みんなはそう言っているが俺は少し安心していた。
まだ少し俺は疑問に思っている。本当にマイケルは殺人鬼だったのか?
もう、考えるのはやめよう。
面白かったらブックマーク、下の評価よろしくお願いします!