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魔導士カガリの受難  作者: あまつや
5/15

名探偵



カガリ達が立ち去った後のギルドは騒然としていた。


「さっきのって、」

「あぁ、『孤高の魔女』...だよな?」


ギルドにたむろする冒険者達が口々に発する声は、リンドブルム達に刺さる。


勇者の混乱する思考の中で、唯一ハッキリとした憤りがあった。

何故あの役立たずなんだ、と。


「どうします?一旦出ますか?」


意外と平然としたリーシェが切り出す。

彼らがここにいる理由は二つ。役立たずの切り捨てと、その代わりを探すことである。

一つ目は滞りなく終わった。だが、その直後にイレギュラーが起きた。まるで自分たちが不要としていたカガリが、とても有用な人材であるかのような勧誘。


「勇者様。考えすぎですよ。」

リーシェは全てを見透かしているようである。


「代わりを探さないなら、一旦出ないか?」

あまり周りを気にしないハイゼルもどこか居心地が悪いらしい。


「...あぁそうだな。」

とりあえず騒ぎのギルドを後にする一行。

仲間を追い出したという後ろめたさから、喧騒すら自分たちへの侮蔑を孕んでいる様に感じていた。

ーーーーー


所戻って酒場


「で、どうしてパーティぬけたの?」

シェーンがカガリに、さもただの世間話が如く、尋ねる。


「いえ、その...」

カガリは言い淀む。それはそうだ。混乱の最中ではあるが気持ちの整理はほとんどついていない。

なんとか自分を騙してパーティを抜ける決心をつけたところから、それほど進めてはいない。


「わかった!()()()()()()()()()?」

あまり上手くいってなさそうだし、と得意げに話すシェーンの言葉が突き刺さる。


「そう、です。()()()()()()()()()()()

ハッキリと言われた。足手まといだと。

忘れようとした言葉が脳内で響く。


「見切りをつけられた?何故?アナタ程の魔導士が?」

シェーンは返した。この魔女ここで初めて困惑の山を抱える。


「何故って...」

カガリの言葉が詰まる。全てのことで足を引っ張ってきた、としか言えないが。言葉がうまく紡げない。

そんな彼女を無視してシェーンが矢継ぎ早に言い放った。


「アナタ、前のパーティで一番強かったわよね?」


カガリは意味が飲み込めず困惑するしかなかった。

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