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第7話
山奥の捕虜収容所
米軍潜水艦の乗組員たちは炭坑から泥炭を運び出す作業をさせられていた。
トロッコにスコップで泥炭を積み。いっぱいになったら推して運び出す。
食事は朝晩二回、シャワーは毎日使え、とくに手洗いとうがいは必ず行うように監視されていた。
これは恐ろしい感染症が流行ったためで、監督者に感染させないためとられた措置だ。
不思議なことにどこかの国で配られたものと似た布製マスクを全員がつけていた。
だが、体調が悪くなった捕虜はどこかに連れていかれて戻ってきたことはないので治療がされているかわからない。
元乗組員たちは話しているのがばれると、相手まで暴力を受けるので、かいわできなかった。
皆、救助が来ることを信じることしかできなかった。