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今からお前に決闘を挑む  作者: アスク
日輪の華は戦場を照らす-前編-
17/79

闘技場の戦闘員

みんなが街の外に出て冒険に出発してる中、初日から街に引き篭もった主人公がいるらしい



 朝6時。私の体内時計は実に正確でいつもその時間ぴったりに起きる。

 ベットから起き上がって、大きな欠伸を一つした後、すぐさま机の上に置いた例のヘッドホン型マシンに手を伸ばす。

 私にとっちゃ今日が月曜だろうが関係ない、そこに心躍る戦いがあるというなら、飛び込まずしてどうしろと。



「もうすっかりハマっちまった。ログイン!」



 二度目の転移(ログイン)が始まる。さて、今日はどんなやつと戦えるか楽しみだ。




◆◆




「だーーいぶ儲かったな、昨日で」



 ステータスの画面をまじまじみてそう思う。結局バディ=レオン以上の手練れが現れることはなかったが、連戦で疲れてたのでいい勝負はできたと思う。



「青銅武器、青銅武器、薬草」



 昨日の戦利品の内訳は【青銅武器】と【薬草】が沢山、金をそこそこ。「俺も全額賭けるぜ!!」と言って挑戦してきた奴はレベル1で何も持ってなかった。


レベルの方は8から先が全然上がらず現在13だが、スキルも増えて、数字的にワンランク上にいった気がする。

 その証拠にちょうどレベル10に達した時に【クラスプライマー】っていうアイテムを貰った。

 武器使いからどうやら進化できるようで。たしかバディ=レオンが騎士(ナイト)だったな。



「ま、いつでも使えるっていうし、これは温存かな」



 金属の球体に青い宝石がはめ込まれた得体の知れない物体をインベントリにしまった。

 そして……。



「さて、ジェイスはどこにいる?」



 とりあえず闘技場付近をうろちょろしているが、あの薄汚れた地味ローブの野郎は見当たらない。まあ、待ち合わせもして無いし無理ないか。

 時間はたっぷりある。闘技場の入り口の横。地べたに座り込んで待ちぼうけ。








 待って数分、入り口の方から声がした。



「おやおや、誰かと思えば鬼桜殿でしたか」


「あぁ?」



 聞き覚えのある声、振り返ると相変わらず薄汚いローブを着たジェイスがそこにいた。



「お待ちしておりました」


「あぁ。決闘しまくった。これでいいだろう?」



ーーーーー


特殊クエスト:闘技場適正試験

達成条件:決闘を一定回数以上行う。

報酬:【イーステッド大闘技場】への出入りが可能になる。役割:戦闘員になる。



ーーーーー




 ジェイスは徐に私の顔をじっくりみた。その眼がオレンジ色に発色したかと思えば、納得したような顔をして言った。



「確認しました。十分すぎるぐらいですね。おめでとうございます」


『特殊クエスト:闘技場適性試験を達成した』


「これで鬼桜殿を正式に闘技場の戦闘員として迎え入れることができます」


『役割:戦闘員 になった』


 ハープの音色みたいなのが私を讃えるように鳴り響く。初のクエスト達成、ってことでいいんだよな。



「ではさっそく運営側となったので、まずは今回の闘技場の催し物について、先に説明させていただきますが、よろしいですか?」


「おーけー、うちもそれは気になってた」



 腰を据えて聞くことにする。まあ、長話は基本半分しか内容入ってこないのが常だが、頑張るとしよう。


 では、どうぞ中へと言われて闘技場の中へと誘われる。ここは……差し詰めフロントか。中央のどでかい銅像がお出迎え。床がツルツルしている。

 それに横も天井も物凄く広い空間。ただ今ここにいるのは私とジェイスだけ。なんともまあ、ポツンとしてるっていうか。広いからこそ何もなく感じるというか。



「【激ムズ!決闘王への道】それが今回の催し物の名前になります。開催日は23日後、期間は2日間」


「『人と戦う』のが主ってのは間違い無いな?」


「はい、参加規定は五人一組の団体戦。構成員各位同士での一騎討ちでございます」


「あーー剣道みてーなやつか」



 別に剣道に限ったわけじゃないが、まあ一番馴染みが深いんでそう言った。ジェイスが剣道を知らないのか反応なしだったが。



「2日かけて挑戦チーム同士で対決し、見事最終的に残った1チームが闘技場運営の戦闘員の中でもトップ『四天王』及び『決闘王』への挑戦権を獲得できます」



 そして、と一つ、休符を置いた。



「────見事に『決闘王』と『四天王』を打ち破ったチームには王の座と、国宝級のお宝が進呈されます」


「あぁ……あぁ?いやちょっと待て」



 確かにジェイスの言った通り「人と戦う」が主なのは正しいがなんか思ってたのと違えってのが私の感想だ。

 2日間挑戦者同士で戦う、最後に挑戦者と戦闘員が戦う。これもしかしてもしかしなくても、挑戦者側の方が戦う回数多く無いか?



「あーーー、悪いけど戦闘員辞退していいか?」


「おや、なにかご不満な点でもございましたか?」


「不満つーかなんつーか。うちは一戦でも多く強い奴と手に汗握る戦いをしてーんだ。このイベント、挑戦者側の方がより戦う回数が多い」



 だから魅力を感じない。運営側として人と戦う、まではいいが、挑戦者側のナンバーワンが出るまで何もしないで見てるだけ。そりゃとてもじゃ無いが我慢ができん。

 それにあっちは勝てば国宝級のおまけつき、対してこっちは何も無い。



「鬼桜殿。参加者は5名いれば誰でも簡単に参加できる。しかも参加費はタダ。当然、言い方悪いですが有象無象がのさばるわけです」


「何が言いたい?」


「鬼桜様の求めるものは強者との戦闘、弱者に無駄な時間を割くよりも、こちら側の方がより濃密で手応えのある戦いができるかと」



 そう言われてもなと、私は頭を掻いた。あとこいつ思いの外毒を吐くなあとも。

 確かに言ってるのとは正しいが、雑魚を倒して勝ち上がった先の強者との戦いの方が燃える。言ってしまえば私は挑戦者側でいたい気持ちの方が強いのだ。


 が、ここでジェイスはダメ押しと言わんばかりにさらに続けた。



「それから戦闘員側の方が寧ろ鬼桜様の望む戦いができるであろう『決闘王選抜』があります故」


「決闘王選抜?」


「それは、闘技場戦闘員の中で最も強い者を決める選抜試験。外部から採用された戦闘員は何も鬼桜殿だけではございません」



 そう語るジェイスの顔は、ゲームのキャラとは思えないぐらいに怪しげな薄ら笑いを浮かべていた。


-----

プレイヤー:鬼桜

LV.13 種族:聖霊種

称号:ー 職業:武器使い(開放可能) 所属:ー

役割:ー

所持金:53041エニー


HP:196/196

筋力(STR):76

防御(VIT):76

魔力(INT):10

魔防(MND):32

敏捷(AGI):64

技量(DEX):64

運気(LUK):64


ボーナス:24

剣:C 拳:C 槍:D 斧:D


スキル

PASSIVE

【格闘の心得】

【決闘の心得】


ACTIVE

【片手剣術:斬撃】──【斬撃一閃】──【斬首撃ち】──【回転斬り】──【連斬り】

【片手剣術:一差し】──【剣の一差し】

【両手剣術:斬撃】──【大撃斬】

【技能:カウンター】──【ジャストカウンター】

【槍術:貫き】──【貫く一迅】

【打武器術:撃振】──【撃振一打】──【天上撃ち上げ(アッパースマッシュ)

【クリティカルブリンガー】



装備

【旅人の服セット】

【煌黒の剣】


所持品

【最初の霊剣】

【冬印-鉄製の槍-】

【赤鉄の大剣】

【青銅の鎧】×1

【青銅の剣】×4

【青銅の槍】×1

【青銅の斧】×6

【木製の盾】×1

【薬草】×12

【スピード】

【クラスプライマー】


ーーーーー

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