『シャーロット=レーン幕間物語』
車までみんなが道を作ってくれた。たくさん話したことある人ばかりだけど、全然足りない。でも、私達はここにはいられない。またいつ、私を殺そうとする、謎の人物から刺客が送られるか分からないから。好きな人と一緒にいられる時間が増えるのは嬉しいけど、好きになった人と離れるのが辛い。さよらならはもう言った。もう悔いは・・・ある。ただ1つ。
「さようなら、シャーロット先輩。」
聴覚に自信がある私は声の方に振り返る。遠くで見送ってくれた彼は、よく見えないけどたぶん驚いている。聞こえたよ。初めて呼んでくれたね。でもごめんね。もう一度貴方の名前を呼びたいけど、そうするともう帰りたくなくなる。だから、“またね”声には出さず、口の動きだけで伝えた。伝わったかな。
「・・・良い人、だった。違う。良い人」
そう彼は、彼の友人も周りの人も、とても良い人達。だけど・・・。
「ウオー!もっと色んなこと話したかった!!!」
車に乗ってから、私より号泣したダニーが隣にいるため、少し落ち着いた。
まさか、私が日本に行ったときもこれぐらい号泣したのかな。
「永遠の別れじゃない。今度は香織君達に来て貰おうよ」
「グスン。だな、絶対呼ぼう」
辛いことがあって、嬉しいことがあった。不安要素が残っているけど、それ以上に楽しい事がある・・・筈。初めてダニーと過ごす日本での時間を無駄にしないため、左肩に寄りかかりながら、手を重ねて、車の揺れに身を任せた。




