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私立英証雌雄学園  作者: 甘味 桃
第6章:炎天下の弱肉強食戦
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『第3節:何回通えば常連客になれるんだろ』


3,2,1 GO


開始の合図と同時に視界に移ったのは森景色。8人の気配を感知、うち3人が即座に

森の気配に紛れた。いや、1人は消したというより消えたかな。2校の武力クラスと

どちらかの魔力クラスの人か。沖田先輩は隠密行動は取れない。知力クラスで気配を

絶てる程の達人はおそらくいない。気配の消え方からして、魔法か魔具で感知されない

ようにしたのかな。


さてさて。知力クラスは解答ルームから約200m以内に転送される。

その他の人間が取る行動は問題の探索と敵の妨害。そしてもうすぐ・・・


「A+1名3分出場します」


「A+1名3分出場します」


「A+1名3分出場します」


来た来た。怪物のお出ましだ。A+の出場はアナウンスが入る。

3回という事は3人が・・・。え、3人?


“おい、マズいぞ” 


頭の中にあいつの声が響く。確かにマズいな。

見立てが甘かった。ダニーも最初からフル出場か。


“そっちじゃない!広範囲に結界が張られた”


眠りに落ちるかの様に意識が遠のく。結界だと、まさか頭が、いや頭は精神系の魔法使い。何故わざわざ囲い込む必要がある。まあ、こいつが出るならそんな心配は無用か

あんま周りにバレない様にしてくれよ。





「バレない保証はせんが、後は儂に任せろ」


にしてもどういう事じゃ。3枚の結界が同時に現れおった。

いくら特級と言えど、ここの施設全体を術式をあらかじめ書かずして結界を貼るのは至難。

仮にできたとしても完成するまで時間がかかる。しかし発動と同時に3枚もの

結界は完成した・・・此奴が言うたようにそもそも何故囲んだのじゃ。

糞、頭を使うのは好きではないんじゃが。


「む」


「見つけたぞ!」


おお、。彼奴は昨年儂とじゃれた手島とやら。今年も遊んでくれるのか。

良きかな良きかな。遊戯は大好きじゃ。先ほどまで気配を消しておったのに

儂を見つけた途端殺気を出すとは青いの~。


「先ずは煙玉で隠れる」


「はっ!またコソコソ不意打ちか。髪も紫に変えて変装するような

 雑魚が調子のんな」


これか。儂が前に出ると髪色が変わってしまうんじゃが、勘弁してくれ。


「捉えた。今度は外さねーぞ。最速の突き、堕天の突!」


ふむふむ煙の中の儂を捉えるか。昨日の時点で肉体が更に強化されているのは

分かったが・・・。


「偽物の肉体では香織にすら勝てんぞ」


「う、受け止めただと」


奴の拳による突きを容易に受け止めると分かりやすく動揺しおった。

昨年は香織が【逃げ足】とやらで回避していたのを見飽きた儂がぶっ飛ばしたが。

今年は最初から儂が相手、わざわざ避けるなんぞ面倒くさい事はせんわい。

まったく、この程度で天を堕とすとは大きく出たのう。


「肉体の操作は長けておる。薬なんぞに頼らず己で鍛え上げれば

 お主は更に高みを目指せるぞ」


「俺だから新薬に耐えられたんだ。貧弱な奴じゃ死んでる」


「ふむ・・・では見せてやる。鍛え上げられた肉体と技を」


「な!?」


軽いのう。片手で簡単に宙に放り込めたわい。天を堕とすなぞ愚行ぞ。

人は空を飛べぬ。だから未知なる領域に手を伸ばし、踏み込むのじゃ。


「安心院体術 天の術 跳地到天(ひちとうてん)


実に久しい。脚でしかと地面を蹴り、向かい風を身体全体で受ける感覚。

おお、巨大な木々を抜けた先に見えた一面広大な緑。地上からでは

儂らを視認するのは不可能であろう。むむ、視認はできんがやはり結界で

囲まれておるわい。もう少し遊んでおりたいとこじゃが速めに済ませるか。

投げられた手島は未だたじろいでおるわ。


「安心院体術 天の術」


空中では踏み込みが利かぬ。右腕(うわん)に力を込め、対象に1点を狙う。

雷が大木を砕くが如く。


「飛電一矢」


みぞおちに直撃を喰らった手島は彼方へと飛んで行きおった。

あのまま結界の外まで出る事ができれば良いのだが難しいかのう。

む?視線を感じる。


「お、マズい」


そうじゃった。相手側にダニーという狙撃手がいるのを忘れておった。

速く地上に戻りたいが下手に術を使うと見つかってしまう。

しかたがない、忍具で防ぐとするか。


忍具を取りだそうとすると突然身体を引っ張られる。

狙撃手に意識を向けつつも新手を警戒していたつもりじゃったが。

・・・此奴ではそうはいくまいか。


「どうして貴方が出ているの」


地上に降り立つとシャロとかいう小娘はしょうもない事を聞いてくる。


「儂が出ている時点で察しろ。緊急事態じゃ」


「頭を見つけたの!?」


「そうではないが、ここら一帯を3重の結界で囲まれた。

 相当な使い手による攻撃。儂が出るべきじゃろ」


「・・・取り乱してごめんなさい。とにかく直ぐに伝えないと」


「おー確かにそうじゃな。先の手島とやらにも伝えるべきじゃった」


「空中にいた理由は一成と戦ってたからなのね。貴方の正体は隠さないと

 いけないんだから目立つ行為は避けてよ」


「これだけ木々で覆われてるなら空中の方が見つかりにくいじゃろ」


「ならもう少し闘気を押さえてもらえないかしら。それ以前に監視の眼もあるし

 貴方ほどの人間は戦うだけで目立つの!」


「儂ほどの人間か。若い娘に誉められるとは気分がええのう」


「ぐぐぐ・・・」


「そう怒るな。監視の眼は気にせんでも平気じゃ。結界のせいで

 外と遮断されておるようだしのう」


「なら、なおさら速く行きましょう」


「その前に対処せねばならぬ事があるぞ」


「え?」


「後ろじゃ!」


背後からシャロに斬りかかった強者。その細身で身長を超える長刀を振り回す。

気配を消し、殺気を押さえたまま斬りかかるほどの達人。香織お気に入りの忍具

孤影で防ぐと、衝撃で辺りの木々は吹き飛んだ。


「おいおい。どーしてその女と一緒にいんだよ」


ふむ。昨年と同様で凄まじい変わりようじゃのう。

昨日の華の様な立ち振る舞いが嘘みたいじゃ。ま、儂は好きじゃが。


「味方だしのう。いて悪い理由が分からんが」


「香織・・・テメーは、オレの男だ!」


「シャロ、予定変更じゃ。儂が此奴の相手をするからお主は行け。

 他の者どもを1カ所に集めろ」


「分かった!」


「どけ香織。先にあの女狐をぶった斬る」


「そうはいかん。儂が相手する。付き合ってもらうぞ」


「な・・・つ、付き合うって。おいおい、こんな所で」


なんかよく分からん勘違いしているが、やる事は変わらん。

窈窕学園 特級武力 升園百合。相手にとって不足なし。



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