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私立英証雌雄学園  作者: 甘味 桃
第6章:炎天下の弱肉強食戦
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『第2節:地震が起こったら先ず扉を開けて逃げ道を確保』


3,2,1 GO


開始の合図と同時に3つの結界が現れた。1枚は試合会場を囲い、1枚は

観客席の周りを囲い、1枚は旧校舎全体を囲う魔力を感知。あきらかな非常事態。

昨日の顔合わせに参加していた人達は直ぐに対応に移る。


「赫夜、お前は結界が破壊できるか試せ。楓は俺と敵の探索だ」


奏さんは直ぐに行動に移るが、マズい。奏さんは魔力による第2の攻撃に気づいてない。


「奏!」


赫夜さんは魔力を全体で覆い奏さんを護ろうとする。

けれどあれでは赫夜さんが助からない。


「積乱雲!」


直ぐに術でぼく達を覆うが、3人しか助けられない。とにかく全滅は避けないと。


「ありがとな、楓。攻撃されてるのに全く気づかなかった。赫夜もありがとう」


「恐らくですが魔力植物による攻撃ですね。通常の魔力による攻撃でないため

 感知能力に長けていないと気づけません」


「楓様がいなければ私も戦闘不能になってました。すいません」


「って事はもしかして他のみんなは・・・」


「たぶん大丈夫。睡眠魔法と似た魔力だったから眠らされてるだけだと思う」


「じゃあ睡眠魔法じゃないのか?」


「魔法なら対象に直接攻撃します。何も無い上空から魔力が雨の様に振るのを

 感知しました。これは魔法や魔具では不可能です。条件を満たしたら魔力を発する

 魔力植物の特徴です」


「なるほど、閉じ込めた後に眠らせて反撃を防ぐつもりか」


「これは、頭の仕業なのでしょうか」


「頭だろ。こんな広範囲に結界はれるのはA+じゃないと無理じゃないか」


「頭は精神操作の魔法使いですし、こんな大がかりな結界は使えないと思います。

 A+なら新たな魔法の習得は可能かもしれませんが、意識を操作できるのにわざわざ

 別の魔法に頼るとは考えにくいです」


「なるほどな。でも、3校の中に魔力A+はいないよな。まさか内部の犯行か」


「その可能性も十分あるわね。気になったの事があって、結界は発動と同時に

 完成したけど、あれだけ早く完成するにはあらかじめ術式を組まないと無理なの」


「魔力A+を2人も相手するなんて考えたくないですね。

 とにかく、外の魔力が収まったら術を解きます」


「先ずは状況を確認して外に連絡したいが、大勢の生徒を逃がせないなら

 黒幕を叩く方が賢明かな」


「赫夜さんは外を結界を破壊する方法を探して、外にいる先生方と合流してください。

 ぼくと奏さんは試合会場の結界を破壊できるか試しながら黒幕を探しましょう」


「分かりました。ですが、会場の方は大丈夫なのでは。

 香織様もいますし、3校のA+もいます」


「中にいるのがA+のみならぼく達は必要ありませんが、A-以下の

 人達を救出するためにも結界を破壊するべきです」


「知力クラスとか非戦闘員もいるし、助けに行くべきか」


「赫夜さんは単独行動になりますが命の危機を感じたら直ぐに逃げてください」


「はい!」


力強く返事をしてくれるけど、恐らく赫夜さんは自分の身を犠牲にする事を前提に

行動してしまう。同行してぼくの身に危険が生じればその可能性が高くなるし

兄上でも単独に任せる筈。


「間もなく魔力が収まります」


外の魔力が完全に収まるのを確認し、術を解くと観客席には誰もいなかった。

100人を超える生徒達が完全にこの場から消え失せた。


「まさか敵が攫ったのでしょうか」


「魔法や魔具を使ったなら残留魔力がある筈ですが無い。武力や知力で人を完全に消す

 所業を成せるとは考えにくいです」


「・・・2人とも構えろ!」


奏さんの視線の先には巨大な卵があった。白い殻に緑色の触手のような柄がある。

どんな生物を宿しているのか皆目見当もつかない。そもそも本物の卵なのか?


「あれ、卵に見せかけた兵器って線もあるよな」


「ありえます。孵る前に攻撃を誘うカウンター型の兵器かもしれません。

 とにかくここはぼくと奏さんに任せて赫夜さんは外に出る方法を」


「はい!」


次の瞬間、卵にヒビが入る。およそ30mはある卵から、とんでもない生物が孵る。

気味の悪い黒みを帯びた緑色の鱗。8つの頭が上空からぼく達を睨みつける。


「や、八岐大蛇。こんな化け物がどうして」


蛇に睨まれたカエルの如く動けずにいる。八岐大蛇。日本神話に出てくる伝説上の怪物。

本でしか見た事がない生物がまさか卵から孵るだなんて、疑問で頭が埋め尽くされる。

そんな中、奏さんが真っ先に声を出す。


「はは。こいつが伝説の生き物かとか誰が何のためにかとかどうでもいい。

 とにかくこいつをぶった斬る!」


奏さんはかつて見たことない未知なる敵を前に高揚しだす。

人を護る為に剣を磨き続けた奏さんにとっては、絶好の機会とも言える。

しかし、神話上の怪物が相手では人間が敵うのか。


「3手に分かれるぞ。楓は会場側の結界を、赫夜は外に出る方法を、俺は

 この蛇をぶった斬る。いいか、自分の役目を全うしろ。誰がどうなっても

 絶対に立ち止まるな!」


「はい!」


「楓様、奏。ご武運を」


誰がどうなっても。この中で一番危険なのは奏さんだ。だからこそ立ち止まるなと指示を

出したんだ。本当はぼくもあの蛇を倒すべき。でもそれは奏さんへの侮辱に他ならない。

だから、1秒でも速くあの結界を破壊して戻らないと。一条の次期党首を絶対に死なせない。


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