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私立英証雌雄学園  作者: 甘味 桃
第4章:学生あるあるのちょっとしたいざこざ
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『第2節:女が男を守るのもありだと思います』



「え、えっと。魔力クラスで私以外初参加みたいだし、

自己紹介から始めたいと思います。じゃあ、1年生から。」


「はーい。夏目(なつめ) 世界(せかい)。魔力A-。

 魔具創りが得意です」


「安心院 楓。魔力A。

 一族相伝の忍術を使います」


「凄いや、1年で魔力がAだなんて」


「ぼく意外にも1年生はいますよ」


「ご、ごめんなさい!」


「お気になさらず~。

 次は先輩方の番ですよ」


「私は沖田(おきた) 美津希(みつき)。魔力A-。

 できる事は動物操作」


「初めまして、今年転校してきました2年の

 安心院(あじむ) 赫夜(かくや)。魔力A-です」


思わぬ収穫。まさか安心院一族分家の者が

転校してくるなんて。

宗家はかの四季忍術を相伝する。

けれど分家は違う、どんな術を有するかは後になってわかる。


四季忍術を使える者もいれば

新たな術を得る者もいる。

果たして赫夜さんはどうなのかな。


「私海外にいた時間が長くて、学園の事全然知らないんですけど」


「説明するから安心して。毎年クラス別に団体戦と個人戦があるの」


競技内容は毎年変わり、個人戦においては

条件も資格もいらず、実力のある者が勝ち残る。


団体戦はステータス別に点数が与えられ、

100点未満になるようにメンバーを決める。


「説明会にA-以上の人が呼ばれる理由は

 団体戦に選ばれやすいからなの」


「では、香織様がいる理由は」


「香織?ああ、安心院君ね。去年もいたわよ」


「おそらく奏さんが連れてきたのだと思います」


A-以上でないと参加してはいけない規則は無い。

しかしエリート揃いの場に易々と足を運べる人は

おらず、B+以下の人が参加する事はない。


「そもそも何で雑魚がここにいんだよ」


「・・・」


「赫夜さん、落ち着いてください」


ほほー、武力クラスの方は揉めてますね。

やはり香織先輩がいる事を良く思わない人はいるんだ。


それにしても安心院一族の分家は宗家のために

ここまで感情を露わにするとは。

楓君が止めなかったらどうなってた事か。


「今年の個人戦は魔の迷宮攻略みたい!」


沖田先輩がすかさず交流会の話に戻す。

周りの顔を伺うところを見る限りきっと苦労人なんだろう。


「幾つもある入り口から1人1つ選んで、ゴールを目指すんだって。

途中に罠や魔獣、猛獣もいて敵の妨害は何でもありみたい」


「魔力の他に、武力のステータスも求められますね」


「団体戦は魔獣早狩り対決。指定された魔獣を

 先に倒した方が勝ち」


魔獣の探索、討伐、敵チームの妨害及び対策など

様々な技能が求められる。


ここにいるメンバーでちょうど100点。

前戦を任せられる安心院の2人、動物操作で魔獣探索が

できる沖田先輩、魔具創りでサポートが得意なボク。


各々が競技に必要な能力を兼ね備えている。


「わ、私辞退するよ。役に立てなさそうだし」


「沖田先輩がいれば、動物が魔獣を見つけてくれますし必要ですよ」


「私はできれば参加したいです。安心院の実力を示す絶好の機会なので」


「じゃあ、ボクが辞退しますよ。できる事は魔具でのサポートだけど、

安心院のお2人には必要無さそうだし」


本当は近くで観察したいけど盗撮魔具でいっかな。

ボクの提案に皆が賛成してくれた瞬間。

事態は修羅場と化す。


「テメェが仕切るな。今年は出番な・・・」


「赫夜さん!」


赫夜さんは一瞬で武力クラスの集団の下に移動する。

先ほどから香織先輩を罵っていた生徒を、

壁にめり込むほどの威力で殴り飛ばした。


へー、人ってあんな綺麗に壁にめり込むんだ。


「へー、人ってあんな綺麗に壁にめり込むんだ」


!!香織先輩とボクの思考が一致した。

気が合うのかも知れない。


突然の暴力沙汰に唯一の3年生である

シャーロットが場を納めようとする。


「ちょっと何やってるの!」


「えーっとすね。柊が頭隠して尻隠さずを体現してくれました」


どういう説明ですかそれ(笑)

流石のシャーロットも怒らずにはいられない様だ。


「テ、テメェ」


壁から這い出てきた柊とやらは、

満身創痍でありがらも赫夜先輩に敵意を向ける。


「香織様お下がりください。

 あの者を直ちに排除いたします」


「止めろ」


「何故です。先ほどから香織様に対して非礼が過ぎます」


「楓、頼む」


「赫夜、宗家の名を持って命令する。

 今すぐ下がれ」


「・・・はい。申し訳ありません」


別に香織先輩が言うのでも良かったのでは?

まあ、楓君が次期党首ってのもあるのかな。


「待て、下げるな。この俺を殴ったんだぞ。

 一発やり返すのが筋だろ」


「いきなり殴りかかった赫夜も悪いが

 直木にも非はあるからな。先ずは香織に謝れ」


「間違った事は言ってないだろ。 

 雑魚を雑魚と言って何が悪い」


柊の言葉を聞くと楓君、赫夜先輩、一条先輩は

戦闘態勢に入り、柊に攻撃を仕掛けようとする。


当然柊も反撃のため構えるが、4名は一瞬のうちに拘束される。


本当に一瞬の事だった。動体視力には自信があるけど、

微かに黄色い何かが視界に入り、0.1秒後の目に映ったのは

拘束具で両手を縛られ横たわる4人の姿。


「全員動かない」


いつもの軍服ではないが、彼女が着ているスーツは

電気を纏っている。

凜とした表情でシャーロットは4人を制圧する。


真っ向からでは、あそこまですんなりと

拘束するのは不可能だろう。

第三者の立場だからこそ、強者たちを

制圧できた。


本来の武装ではない筈なのに、強者4人を同時に拘束。

・・・ま、知力クラスにしては、できる方かな。


「はい。では4人に罰則を与えます」


「あんたにそんな権限無いだろ」


「私は交流会代表者です。問題が起こったら

 対処する責任と権限があるの」


「クソッ」


「今騒動を起こした奏君、楓君、赫夜さんはクラス別団体戦の

 参加を禁止します」


「ちょ、ちょっといいですか。

 それ戦力がた落ちですよ」


「なら香織君が代わりに頑張って。

 楓君の兄だし赫夜さんも安心院の人でしょ。だから君は強制参加」


「しぇ~」


「そして、直木君。貴方は今年の総合戦の参加を禁止します」


「ふざけんな!どうして俺だけ」


「去年から周りの人の事を考えない発言が目立つわ。

 学園の名誉を懸けた総合戦で場を乱されるのは困るの」


「俺は去年から強くなった、俺を出さないと後悔するぞ」


「強くなったのはお前だけじゃないだろ。

 他の奴も成長はしてる」


「おお!かおみんが良いこと言ってる。

やる気出てきた!」


「初参加っすけど頑張るっす!」


「香織、ごめ・・・」


「楓、奏、赫夜。ありがとう」


一条先輩の言葉を遮り香織先輩は感謝の言葉を述べる。


「嬉しかった。自分のために怒ってくれる人がいてくれて。

 とりあえず頑張るから」


気を遣ったのかはたまた本音なのか。

香織先輩を前に言葉を発さない3名。

しかしその表情は麗しさに満ちている。


「クソが、やってれるか!」


「武力団体戦は出られるから、待って、直木君!」


「あんたみたいなやつに仕切られてくねーんだよ」


そう言うと、柊は講義室から出て行った。

かくしてAが2人とA-1人がいない状態で優勝を目指す

事となる。まあ、ボクが本気出したら余裕だけどね!


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