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私立英証雌雄学園  作者: 甘味 桃
第4章:学生あるあるのちょっとしたいざこざ
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『第1節:オッドアイに憧れてます』



交流会発表から次の日。

三大ステータスでA-以上ある者は大講義室に呼ばれ、

競技などの説明を受ける。


大講義室。

行事や研究会など、説明会を開く際に使用する。


集められたのは16人+僕。

武力B-の僕が呼ばれた理由は奏に無理矢理。

教壇に立っているのはみんな大好きレーン財閥ご令嬢。

しかし、いつもの軍服ではなく、タイトなスーツに普段は掛けないメガネ姿。


「教師ごっこか」


「香織様、あの方はレーン財閥のご令嬢ですか?」


転校したばかりの赫夜は目の前に大物がいる事に驚く。

アメリカ生まれの彼女が何故ここにいるのか。

赫夜は自らを高めるため、海外でも更に辺境の地へ

任務に行くよう志願したらしい。

なら、先輩が日本に留学したというニュースを

知らなくてもしょうがない。


・・・アニメばっか見てた僕も知らなかったけど。


「そうだ。まあ、自由な校風の英証が

 あの人には合ってるらしい」


「アメリカの方が自由なのでは」


確かにアメリカは自由の国。

実力があれば誰であろうとのし上がれる。

だが例外もある。


三大ステータスA+。


その強大過ぎる能力は正に未知数。

更に知力がA+ともなれば人類の文明に

大きな利益をもたらす可能性が高い。


故に国はその者を管理したい。

故にその者に自由は無い。


だから先輩は生徒の自立を尊重するこの学園にやって来た。


「ってな訳」


「彩華様や黒榎様から聞いた通り、素晴らしい学園ですね」


父も母もよく学生時代の思い出を話す事が多かった。

1つの心残りがあるとすれば父は魔力をA+に

できなかった事らしい。


「例年通り、1週間かけて行われる交流会で

 最終日は総合団体戦。その他はクラス別個人戦及び団体戦です」


「では、私は香織様と一緒に出れるのは

 最終日だけなのですか?」


「いや、そもそも僕がレギュラーになれるか怪しいな」


魔力クラスの赫夜と武力クラスの僕とじゃ、

一緒に出場できる競技は最終日のみ。


海外任務を終えて赫夜は魔力がA-まで上がっていた。

レギュラーになれるかは競技によるから

何とも言えんが、赫夜なら心配無いだろ。

僕は心配以前にここにいるのもおこがましい。


「では今年のクラス別競技を発表します。

 分かれてください」


先輩の指示と共に生徒は動き出す。

楓と赫夜は魔力クラス、僕と奏は武力クラス。

毎年新入生やステータスが上がった者が加わるため、

自己紹介から始まる。

しかし武力クラスにA-以上の新入生は居らず、

2年が1人加わっただけで昨年と顔ぶれがあまり変わらない。


「じゃあ、自己紹介始めるか。俺は一条 奏。

 武力Aの侍専攻、よろしく」


パチパチと短めの拍手を済ませ、手早く自己紹介が進む。


「俺の番な!高山(たかやま) 裕真(ゆうま)。武力A-で得意なのは

 トラップ仕掛け。罠にかかった奴の顔見るのが3度の飯より好きなんだ!」


人懐っこく明るい笑顔をしている彼の腕はマジモン。

直接戦闘が不得意にも関わらず、

お得意の罠で敵を陥れ個人で好成績を収めた。

団体戦ともなれば最高のサポーターと化す。


「・・・俺は(ひいらぎ) 直木(なおき)。武力A-、空手専攻だ」


ひゅ~睨んでる睨んでる。相変わらず僕が嫌いの様だ。

武力B-の落ちこぼれが我が物顔でエリートが揃う

説明会にいる事が気にくわないのは・・・まあ、わかる。


「初めまして!今年武力A-になった清水(しみず) 重虎(しげとら)っす。

 あらゆる乗り物を乗りこなすのが得意っす!」


明るいキャラpart2。去年は騎乗系の競技無かったから見ない顔だ。

あらゆるってのは文字通り軍事兵器すら乗りこなせるのかな。


これでA-以上の自己紹介は終わった。

残りは僕だけ、3人の視線が集まる。

まあ、奏に半ば・・・否。

強引に参加させられたが、参加したからには

自己紹介せねば。


「で、あの人はいつ復学するんだよ」


僕が嫌いな柊は休学中の3年の話題を切り出す。

3年で唯一のA-以上の実力を持ち、そのステータスはA+。

現在は休学中。


「待てよ、香織の自己紹介がまだだろ」


「そもそも何で雑魚がここにいんだよ」


「雑魚はどっちかね~、去年はかおみんのおかげで

 勝てたのにさ。そのうえ直木は途中タイア」


高山は他者を~みんと呼ぶ。

呼ぶ人とそうでない人がいるが、基準は謎。

後、僕のおかげで勝てたは言い過ぎ。


「安心院ってあの安心院っすよね。香織は弱いんっすか?」


新メンバーの清水とやらは既に僕が安心院 香織だと

知っているし、自己紹介は不要じゃないか。


「僕の事は置いといて本題に入った方が良いんじゃないか」


「わかった。えーっと、団体戦は武器選争」


「・・・」


全員が固まる。聞き慣れない言葉だが字を読めばなんとなく

予想が付く。


「舞台は森。各地に散らばった武器を拾って戦う。

 途中で武器を変えるのは有り。但し武器を持たねば

 攻撃も防御もしてはならない。指定外の物でも、

 森にあるのなら武器と使用して良い」


「俺の得意分野だ!」


高山は大声で喜ぶ。全く触れた事の無い道具でも自在に操り、

トラップに利用する彼はこの競技に打って付けだろう。


「武器には腕に武装するやつや、乗り物もあるから

 直木と重虎も武器が合えば戦えるな」


「頑張るっす!このメンバーで優勝目指すぞー!」


あー、肝心な事をわかってない。

団体戦のメンバーを決める際の条件を。

清水のために代表者の奏が説明する。


「ダメなんだ重虎。団体戦には条件があって」


団体戦。

知力クラスを除き、ステータスに点数を設ける。

A:40 A-:20 B+:10 B:8 B-:6 


C+:5 C:4 C-:3 


D+:2 D:1 D-以下0点。


点数が100点未満になるようにメンバーを選ぶ。


競技によっては少数精鋭で済む事もあれば、

人数が必要な事もあるから決めるのがなかなかしんどい。

でも結局はAのやつらが優先して選ばれるんだけどね。


「何がダメなんっすか?」


足し算をしろよ。Aが1人とA-が3人じゃ

ちょうど100点でアウトだろうが。


「武器なら何でも罠に使う裕真は決まりで良いとして、

 俺や直木と重虎は武器を選ぶだろ」


「なるほど!合う武器がなければやべーって事っすか」


「俺は出るぞ、どんな武器でも問題ない」


柊は出ると言い張るが奏は心配の表情を見せる。


「いくら直木でもいきなり慣れない武器で戦うのは付け焼き刃だろ」


「だからなんだ。俺が負けるって言いたいのか」


「良いじゃん。腕に武装する武器見つければ大丈夫な話なんだし」


「テメェが仕切るな。今年は出番な・・・」


僕の目の前に座っていた柊は姿を消し、代わりに

髪だけでなく拳まで赤く染まった少女がいる。


「へー、人ってあんな綺麗に壁にめり込むんだ」


頭隠して尻隠さずが誰よりも似合う状態となった

柊の事はとりあえず置いといて、怒気を抑えきれてない

赫夜をなんとかせねば。


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