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私立英証雌雄学園  作者: 甘味 桃
第3章:梅雨時に始まる行事
35/95

『第5節:白米以外で納豆に合う炭水化物を模索する日々』


3人は研究施設を一棟丸々借りて発表に向けて研究してる。


「ほ~ほほ~、圧巻」


楓と奏は四季と妖怪をどう組み合わせるかを考えた結果、

楓が作る風物詩の中を奏が妖怪の舞をする様だ。

春から冬まで1年間を過ごす妖怪の物語が面白い。


本番では舞台には音響だけを置き、世界観を作り出す。

しかしこれは難易度が高い。

楓が風物詩を具現化できなければ物語の舞台を想像できない。

奏が妖怪を表現できなければ登場人物の心情を感じ取れない。


そして先輩は隣の部屋で作業中、ちょっと見に行きますか。


ノックをしても返事が無い。

静かに扉を開けると1人黙々と作業してる先輩がいる。


「・・・」


集中してるのかヘッドホンを付けてパソコンにらめっこ状態。

安心院一族の四季忍術は視覚で四季を感じる事に長けている。

人によっちゃ肌で感じたり匂いを感じたりするなんて意見もちらほら。


披露するからには五感で楽しんで欲しいから先輩が音響係に徹してる。


「・・・先輩」


「・・・」


さっきから適当なタイミングで話しかけるが返事は1回も無い。

研究してるところは初めて見るけどここまで集中するんだ。


頭使うと糖分欲しくなるからた○のこの里置いとこ。

もし先輩がき○この山派だったら・・・。


その時は、戦争だ。


みんなの邪魔をしては悪いと思い、僕は修行しようと運動場に向かう。


道中、中央広場で見知った顔を発見。


「鬼塚さん」


誰かと話してる、親睦会のメンバーか。

女の子が1人に陰キャな男1人。


僕の人生が懸かった話だけど、彼女が本気で

漫画家を目指しているのなら発表を見ればわかる。


果たしてどんな発表をするのか・・・。


楽しみだね。


「香織君、少し時間を貰えるかな」


「え・・・学園長」


突然の呼びかけに驚いた。僕に話しかける人なんて基本いないし。

一流のビジネスマンの様な出で立ちをしてる学園長は気まぐれで生徒に話しかけ、

世間話や一緒に研究したりなど親しみやすい性格をしてる。


辻先生は仙人とするならば学園長は性別問わず理想とする大人。

そんな印象だ。


「かしこまらなくていい。話したい事があるんだ」


「僕にですか」


「君じゃなければいけない話でね」


「なるほど、わかりました」


学園長は静かな場所に移ろうと言い、図書館へと向かう。


学問書や魔道書、料理本に哲学書、その他趣味系など、

あらゆるジャンルを揃えた図書館は大食堂に次ぐ学園の憩いの場。

更にはミーティングルームや個室勉強部屋もあり、

完全防音設備だから集中したいときにはうってつけ。


「ここにしよう」


3階の窓際の席を指定し、座るや否や運動場で修行する生徒を眺め始める。

我が子の成長を見守る親の様な眼差し。


「辻先生から聞いたよ。香織君と稽古できて楽しかったと」


「ボッコボコにされただけですよ」


「シャーロット君との追いかけっこは、もういいのかな」


「そうですね、僕のスキルの方が上だと証明できました」


「ちゃんと学生生活を送ってるようでなにより。

 親睦会には参加するのかい?」


「今回は観戦側です。注目してるグループがあるので」


「ほう。詳しく聞かせて欲しいね」


楓たちが参加すると言うと、校長は満面の笑みを浮かべ期待の言葉を述べる。


「そうか、楓と奏とシャーロットが!確かに注目したくなる」


「もはやチートな気もしますけど。

 特に知力枠はA+の先輩」


「大和なら相性は更に合ってるかもしれないね」


「・・・」


学園長は見た目は30代、しかし聞いた話ではここで50年以上勤めているいるらしい。


そんだけ生きていれば知識は人並み以上あっても納得はできる。

だが、その名を知るのは普通ではありえない。


普通では・・・ありえない。


「話したい事って、何ですか?」


「君のお父様から言伝を預かってね」


「直接僕に言わないあたり、学園長にも何かしら関わりがある訳ですね」


「ああ、先刻君たちを襲った木の矢。

 親御さんにも報告したのだが」


「父が心当たりがあると」


「話が早くて助かるよ。香織君はどれほど

 自然物を操作する魔法について知ってる」


「資料で得た知識だけですけど、文明から離れた自然の中で

 10年を超える生活するのが習得条件だと」


「正解だ。じゃあ、使い手について知ってる事はあるかい」


「ねーっすな」


「アフリカのあるジャングルで70年以上文明から離れ

 自然界で暮らし、その魔法を習得した者がいる」


「はえ~70年。マジモンの仙人ですか。」


「自然物操作魔法の使い手を研究しようとした組織がいたが、

 使い手が拒否し研究を強行しようとした」


「もしかして、組織が研究に成功して僕たちを襲ったのは

 その組織なんて話じゃ」


「いや、使い手の能力が強大すぎて事は思い通りに進まなかったらしい。

 使い手はあくまで自身の心を自然と調和させ平和に過ごしたいと思う善良な人だ」


「じゃあ、僕たちを襲った件とどんな関係が」


「使い手が突然姿を消したんだ。急に組織が使い手の魔力が消えたと大騒ぎし、

 政府管理の下調査したら跡形も無く煙の様に消えてしまったらしい」


「そいつは奇妙な話ですな。

 誰かが連れ去った以外考えられない」


「勘が良いね。ある人物が消える直前使い手と

 接触したらしいんだよ。組織が謎の魔力を感知したとか」


突然現れては突然消える。相当な空間系魔法でなければ

不可能な芸当。


「まさか・・・」


「そう、蔵本(くらもと) (とき)君だ」


魔力A+でしかも空間移動魔法が使える蔵本なら突然現れては消える事は可能。

誘拐に長けている能力とも言える。


「・・・けど、どうして蔵本だとわかったんですか」


「蔵本君は依然として行方不明。

 捜索は安心院に依頼しててね」


「ご利用誠にありがとうございます」


「そして、自然操作魔法の使い手の捜査も

 安心院に協力の声がかかったらしい」


「あー、現場の残留魔力と蔵本の魔力が一致したと」


「ご明察」


「魔力系の能力は死体を調べれば無理矢理でも継承する事が可能」


「残念ながら使い手は殺害されてしまっただろう」


つまり蔵本による先輩襲撃は単独ではなく組織的犯行だったのか。


万が一に備え、助け船を用意していた。


ただ、直接対峙した楓や先輩の話を聞いた限り蔵本は自分の能力を過信した自信家。

自分がやられる事を想定するとは考えづらい。

けど、木の矢が僕たちを襲った事実を踏まえれば認めざるを得ないか。

ただ解せないのは、協力者は蔵元を回収しようとしたのか、殺害しようとしたのか。

こればかりは黒幕に直接聞きだすしかないか。


「それで、父からの言伝とは」


「ああ、すまない忘れてた。香織君・・・」


話を聞くと同時に、僕は自主休学を申請したら校長に笑われながら拒否された。


「あーいーつーがーくーるーのーかー」


「楽しみが増えて良かったじゃないか」


学園長は笑みを浮かべているが、僕は対照的に絶望の顔をしている。

あいつが転校してくるのか・・・。


後で楓達にも報告しておくか。

その後も学園長と軽い世間話をした後に、僕は修行のため運動場に歩みです。

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