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私立英証雌雄学園  作者: 甘味 桃
第1章:始まりの春
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『第10節:能力《ちから》の使い方・・・能力にルビがちからって中二感強いよね』

ボサボサもっさり頭で右目が前髪で隠れてる鬼太郎ヘアー。

見えてる左目はいつも半開きで病気目というか死んだ魚の目というか。

更に猫背だから視線が下に向いてるため初対面でも根暗なのがバレてしまう。

そんな見た目をしている。と、前に本人が言っていた。


そこにいるのは、香織・・・君?

姿形がいつものかれでも、髪と瞳が毒々しい紫色なのは何故。

香織君と思わしき人物は、楓君を見ると鼻で笑い声をかける。


「無力やのう楓。お主が魔力特級なら、あの程度の攻撃難なく防げたというのに。

 魔力が壱級どころか武力も未だに準壱級など中途半端よのう」


いつもの香織君とは話し方がまるで違う。

目の前の現状が信じられず何もできないでいた。

でも・・・。


「き、貴様!!兄上を返せ!」


楓君は実の兄に襲いかかる。

魔力を集中させ術を発動しようとするけど、先に攻撃したのは香織君の方だった。

小さく笑いながら構え、右手が白色の光を纏う。


(ふゆ)(まい) 北風(きたかぜ)


手の甲を表にした右手を裏返すと手のひらから突風が放たれ楓君は地面に叩きつけられる。


「・・・ぐはっ」


一瞬で重傷を負わされたの見て、直ぐに介抱する。


「楓君大丈夫?あの人は香織君じゃないの?」


「肉体はそうですが魂は別です。」


「・・・魂?」


「ぼくのせいです。ぼくのせいで兄は忍びの才能を・・・」


罪悪感に駆られた声をこぼす。

敵意を向けた楓君の次に殺意を向けた時君は攻撃を仕掛ける。


「誰でもいい、俺の障害になり得るやつは死ね!」


時君は再び指を鳴らし先ほど操作した戦闘機が香織君に向かって突貫させる。


「ほほう、魔力で強化しておるのか。壱級でも防げん威力じゃのう」


「そのニヤけ面ぐちゃぐちゃにしてやる!」


再度指を鳴らすと1機は上空から残り4機は四方から突貫する。


「これでさっきの技では防げないだろ!」


「楓君、私の後ろに下がって。」


私は僅かに距離をとりスーツをフル出力にしバリアを張った。

先ほどはゴーレムの岩で縛られていたため使えなかったけど、今ならできる。大切な後輩を守るために。


「こんな機能まで搭載されてるんですね」


「でも守れるのは私の他に1人までなの」


「今の兄う・・・あいつなら大丈夫です」


「そうみたい、だって」


楓君の言葉に納得できたのは逃げ場は無く絶対絶望とも言える状況下で男は落ちつき、目視でわかるほど強大な魔力を纏い始めたからだ。


(はる)(まい) 流桜(りゅうおう)


桃色の魔力を全身に纏い桜を出現させ、しなやかな身体使いで桜を操り戦闘機の進行方向を上空に移す。


桜と共に戦闘機はそのままはるか上空で接触し爆発。

込められた魔力がミサイル以上なので爆発の威力は先ほどの比ではない。

なのに、桜が爆風に長され散る様子が美しい。


「ふははは、派手な花火やのう」


「チッ、やはり魔力A+はあるな」


「どうして時君は楓君みたいに魔法で攻撃しないの」


「安心院は自然の魔力を具現化する事で忍術を発動します。戦闘においては、

 自身の魔法より武器に魔力を込める方が効率が良いのです」


「そうなんだ。魔法、じゃなかった、忍術だけでも強いのが安心院の凄さなんだ」


「はい。ですが、武器さえ用意できれば闘えます。蔵本はどうやってあんな兵器を」


確かに時君が使用した戦闘機は軍事用。空間魔法で奪ったのかな。

1度目に学園全体を魔法で守り2度目も魔法で敵の攻撃を防ぐ。

その堂々たる余裕な表情に、時君は感情の限界を超える。


「お前は()()で殺す」


「ほう、届いているのか。特級にのみ許された極地に。

 しかしこんな状況下で使うのか?命は大事だぞ」


「舐めるなよ、俺はそこらの天才面した偽物とは違う」


次の一手を察したのか、楓君は震えながら言葉を漏らす。


「まさか・・・こんな状況で使うのか?」


「え、何のこと」


時君は両手で四角の形を作り次の瞬間、自分と香織君の足下に魔方陣を描く。


終局(しゅうきょく) 孤独死(ホワイトワールド)


2人は別々に白い箱のようなものに包まれる。

その後、箱は一切の音を出すこともなく、動く様子も見せないでいた。


「シャロ先輩、バリアを解除してください。あのままじゃ兄上が!」


「わかった」


バリアを解除し、私達は白い箱の破壊を実行した。

しかし、魔力Aの忍術も知力A+の化学兵器をもっとしても傷1つ付けられない。


閉じ込められた時間は実に1分程度。

技が解除され箱から解放されると時君は膝から崩れ落ち香織君は横たわっている。


「兄上!」


「香織君!」


愛する兄、大切な後輩の倒れている様子を目にするやいなや私達はは駆け寄る。



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