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第一章 一話目
――ピピピピッ!ピピピピッ!
「ん、ぁ…?」
気がつくと、俺――杉麗 歩――は、ベッドから転がり落ちていた。
どうやら、寝てる間に落ちてしまったらしい。
そして、近くにある本棚の上には、未だけたましいアラーム音を鳴らしている目覚まし時計があり、その左側には、写真スタンドが何個か置いてある。
そして、その写真のどれもに、昔の俺と一緒に青い髪の幼い少女が写っていた。
彼女の名前は、水川 葵。
俺と同じ16歳で、10歳の時に葵の父親の仕事が理由で、アメリカに渡ってしまった。
それ以来、全く、ただの一度も連絡を取っていない。
全く、多少は連絡してくれてもいいのによ…。
あ、いや、恋愛感情とかそういうのじゃないぞ!?
ただ、一応スカ〇プのIDは教えてあるし、連絡が来てもおかしくないはず何だが……。
まぁ、いいか。
とりあえず俺はアラームを止め、二階にある自室から一階のリビングに向かう。