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バースたちの恋愛日記  作者: 三月 璃夢
第一章 運命はネットの中に
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3-1 チョーカー

僕が意識を取り戻すのにかかったのは意外と短かったようで、すぐにオフ会が始まった。

横の席のロッカさんは少し羨ましそうに笑って僕たちのことを祝ってくれる。

彼女の恋人はα彼女自身はβ。

決して番にはなれない。

前LIMEで「将来彼に運命の番が現れたら怖いの、私なんて簡単に捨てられそうで」

どちらの感情も理解できない僕には曖昧に返すしかなかった。

運命の結び付きは異常とも言えるレベルだ。

身をもって体感した。

陸人さん……言うのがこそばゆい。

彼が運命だと気づいたらもうそのことしか考えられなかった。

授業にも身が入らないし彼と話したくて仕方がない。

本能で求めてしまう。

自分のケモノが目覚めるみたいで怖かった。

「ゆず? 飲まないの?」

陸人さんが桃ジュースを差し出す。

好きだから遠慮なく飲む。

みんなでワイワイしてる間にオフ会は終わった。



さて、と陸人さんが黒いコートを羽織る。

「チョーカー買いに行こうか」

Ωは番が成立した場合、ICチップタグ内蔵のチョーカーの着用が法で義務付けられている。

「はい!」

10cm以上差のある彼の背を追いかけた。

「どれがいいかなー」

場違いに暖かい店内と鏡の前で首周りだけ着せ替え人形になる僕。

色々な種類のがある。

「別に陸人さんが選ぶのなら、なんでもいいです」

見上げながら言う。

彼は破顔し「可愛いな」と頭を搔きまわす。

せっかく髪整えたのに。

結局選んだのはやや細いバンドにアメシストがティアドロップ型にぶら下がってるものだった。

早速つけると首がポカポカする。

またね、と彼と別れる。

彼と僕の家は往復で5時間かかる、遠距離恋愛だ。

次会えるのはいつになるんだろう。

優しい彼の顔を脳裏に刻みながら冷たい地獄の入り口に向かって歩き出した


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