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バースたちの恋愛日記  作者: 三月 璃夢
第一章 運命はネットの中に
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2-1 もう一人の「彼」

今回はα視点です

中学時代にいじめられた理由は極々単純。

バース性のせいだ。

これ言うと大体の人は「陸人ってΩなの?」と聞いてくる。そもそもこんな発言がある時点でΩへの差別だと思う。

そう、私はαなのにそんな目に遭った。

見た目からして大柄であんまり自分ではいいとは思えないこの容姿。

人を操るカリスマ性を持つ、なんて教科書にはあったけど生憎私にそんな物はなかった。

やっぱりβから生まれたせいなのかよくわからない。

私には自分の両親がはっきり分かる。

2人ともバース性を持たない、すなわちβだ。

そこからαが産まれる確率はわずか

父親(もう吹っ切れた)には裏切り者と評されて祖母にもずさんな扱いを受け続けてる。タッチの差で産まれた弟はβだったからそれは大変だった。

誤解されたお母さんは離婚に追い込まれてしまった。

私のせいで、αなんかに産まれたから。

人は「αっていいな、色々有利なんでしょ?」と言うけれど。

頭も良くなくて自分が産まれたから家庭が壊れて。

そんな状況で同じセリフを言えるのだろうか。

願わくばβに産まれたかった。

「井上! 起きろ!! 放課後だぞ」

隣の席の人に肩を揺すられる。

名前も知らないその人は去っていった。

私が進学した高校は試験のないとこだ。

αなのにって言われたけれど私は勉強が嫌いだったし、将来はαの特権を使って大手企業に就職するつもりなので関係ない。

スマホを取り出して「mutter」を起動させる。

ちょうどゆずさんが書き込んだとこだったのかTLが次々更新されていく。

彼は私とは真逆の人生を歩んでいる。

α選抜コースに入り女子とも仲がいい。

勉強に関してはオールラウンダーで色々な人に教えていた。

前あげていた自撮りではαらしい濡れ色の髪と希少価値が高いΩの瞳ーー美しいアメシストだった。

きっとゆずさんからは爽やかなハーブのようなフェロモンが香るのだろうか。

αに、同性にここまで心惹かれるなんて不思議な感覚だ。

家に着くと急激に眠気が襲ってくる。

睡魔に負けた刹那、誰かが名前を呼んだ気がした。

解説:井上陸人・・・主人公その2。バース性はα。黒髪黒目。自身の性は好いていない。勉強に価値を見出せず、通信制の高校でのんびり生活している。βの双子の弟と両親がいる。元は三つ子だったが一番下の妹は死産。

補足:一卵性ではない双子や三つ子は両親のバース性に関係なくαやΩが生まれやすい

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