現代冷やし中華概論 第一回 ガイダンス
……皆さーん、先生来てますよー。先生自身が先生が来ているということを宣言しているという事態がどういうことか、よく理解してくださーい……。
はい、皆さんよろしくお願いします。夏季短期教養講座、現代冷やし中華概論の担当ころっけぱんだです。
パッと見る限り、今年は受講者数が多いですね。毎年私の都合で夏季休業中の集中講義にしてもらっているんで、普通少ないんですけどね。大体皆さんこの時期っていうのはサークル活動とかバイトとか旅行とかで忙しいんですよねー。それなのにこの講義を取得して後から白紙でレポートを提出されたりするんですよねー……。はぁ……。
えー、ではですね。まぁ、最初はガイダンスということで講義の内容についてとか、評価と試験の形式についてお話したいと思います。配布資料に沿って話していきますんでね、ちゃんと手元においてくださいね。
まず、講義の目的についてですが『冷やし中華を通して、自ら考え論じる力を身に着ける』です。最初に言っておきますが、冷やし中華を学んだところで直接的には何の役にも立ちません。別にこの講義を受けたからといって、冷やし中華に関わる仕事に就けるわけではないですし、冷やし中華作りが上手くなるわけではありません。
大事なのは自分で考えて意見を言うことです。これができるとですね、他の講義はもちろんですがゼミや就活で必ず役に立ちます。是非この講義を通してその力を身に着けて頂きたいと思っています。
ですから試験形式はレポートです。はい、そこ面倒くさそうな顔しないでくださいねー。レポートって言っても、字数で考えれば作文レベルですよ。四回生の人達は重々わかってるとは思いますが、卒論はゼミや学部によりますけどその何十倍も書かないといけないことを知っておいてくださいね。
それに就職試験やエントリーシートとかでこれくらいの文章は何回も書く機会が出ますから、こういった講義で慣れておくことは必要ですよー。
はい、ちょっと内容が逸れましたんで話を戻しますね。えーっと、試験についてでしたね。先ほど言ったようにレポートということで、期日までに提出してもらえれば問題ありません。レポートの内容を指示してから一週間くらいで提出ですので、よろしくお願いします。
あ、先ほど言った通り自身の考えを書くというのがテーマですからちゃんと講義の内容理解してないと難しいです。もちろん、毎回出席して講義の時に気づいた点とか考えた点を試験前に整理しておけば簡単ですよ。頑張れば三十分もかからないんじゃないでしょうか。
そして講義内容についてですが……。はい、そこ帰らないでくださいねー。おーい、帰らないでって……。あー、帰っちゃいましたね。……はぁ。
えー、話戻して講義の進行プログラムについてですね。まず最初は冷やし中華が何故生まれたかについて考えます。この講義だけはこの後すぐ続けて行いますので、今回のガイダンスでもう興味ないって思った方は『ガイダンス終了後』に教室を出て行ってくださいねー。途中で帰るっていうのは大変失礼ですからねー?
その次は冷やし中華の構成、要は冷やし中華を構成している具、麺、たれについてのお話ですね。そして冷やし中華を取り巻く現環境。最後に冷やし中華の課題について行い、この講義の終わりに試験としてのレポートを皆さんに出します。そして最後にレポートの総評や模範解答出して本講義は終了という運びになります。
はい、これで講義の予定説明は終了です。この時点で何か質問がある人……。
おっ! はい、そこの君。質問は……。えー、講義ごとに出席は取りませんが毎回出席して頂かないと試験は難しいですよ。今ガッツポーズした人達はよく考えて出席してくださいね。半端な出来のレポートでは単位上げることができませんからねー?
はい、他に質問は? ……今のが唯一の質問でしたか。はぁーあ……。
えー、じゃあ現代冷やし中華概論ガイダンス終わります。自分より先に出ていく学生はあまり見たくないですからね! それじゃあ次の講義まで!
第二回は一時間後に。