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エクソシストの業務

 目が覚めると目の前に先日エクソシストの説明に来ていた人がいた。

「やっと目覚ましたか。支度、とっととして職場に向かうぞ」

 この前の死神の件に比べたらマシかな?

「まあ、普通ならもう遅刻だ、1時間のな。というか3時間、私が近くで携帯ゲームを大音量でやっていたのによく眠っていられたな」

 少なくとも3時間前に来ているなら起してください。


「ああ、そういや名乗り損ねていたな。俺は氷山ユリだ。よろしく頼む」

 なんだ?死神と言い、エクソシストと言い、名乗り損ねることは多々あることなのか? どうでもいいけどこの人、女なんだよな~。口調と言い、性格と言い、どうも女に見えないのは気のせいなのか?

「それでだが、お前知り合いにエクソシストでもいるのか?」

「いえ・・・」

 本当は「そんな物騒な知り合いいてたまるか!」なんて言ってやりたかったが、この人に逆らってはいけない、そんな気がしてならない。

「だとしたら、妙だな。現エクソシストNo2、実質トップがお前に会いたいんだと」

 何故にっ!?まさか、死神とのかかわりがばれたのか!?

「ちなみにだが、トップは失踪中だ」

 その情報はいらないです。


「大丈夫だよ、入ってきてくれ」

 なんだよこの頑丈そうな壁、というか扉。というか、声若いな!

「失礼します。木村を連れてきました」

「えと・・・、しつれい、します?」

 見た目もすごい若い。20代後半・・・、やっぱり知らない人だ。

「ああ、いいよそんなに硬くならないで。僕は源義経というもの。一応『エクソシスト統括部副長』の肩書きはあるけど、あまり堅苦しいのは好きじゃないから、よろしく~」

 思っていたのと違う・・・。というか、『源』という姓に聞き覚えがある。なんだ?本当にすごい聞き覚えがあるんだが、なんでだ・・・?あっ!

「竜二・・・。あいつエクソシストだったのか」

 源竜二はクラスメイトで有名な武士の血を引いているとかいっていたが、どこかは忘れてしまっている。

「竜二の知り合いかい?彼もエクソシストだから出来るだけ同じ任務につかせてやりたいけど、君たちの上司が仲が悪いものでね、なかなかそうもいかないんだよ」

「あえて上司の娘と分かって言いますが、あんな下衆と任務なんてすれば、あいつが足を引っ張るに決まっています」

 よ、よくそんな事いえるな・・・。そんなに仲が悪いのか?

「まあ、僕の娘って言っても、親は僕じゃないから。あとユリくん、力抜いてくれないかな?その気迫が、百年戦争のころの彼そっくりで・・・、ああもうやだ」

 家庭事情が複雑で部下から威圧される上司って、大変だな・・・。

「少しは『威厳』というものを出してください。ないとは思いますが、クーデターが起こった際、統制できなくなりますよ?」

「起きても僕一人で鎮圧出来るよ。それより、席を外してくれないかな?すこし木村君と話がしたいんだ」

「分かりました。ですが、手短にお願いします。これから仕事の内容を説明する予定もありますので」

「あー、大丈夫大丈夫。僕がそれもやるから」

 「分かりました」との言葉を残し、部屋を出た。それと同時に義経さんの表情が軽くなった。

「あー、やっと開放されたー。さて、ユリくんから排除対象は聞いている?」

「まあ、聞いていますが」

「まあ、一部誤解があってね。死神との両立頑張ってね」

 ・・・、えっ?

「ちょっと待ってください・・・。えっ?何がどうなっているんですか!?」

 頭の整理が追いつかない・・・。いや元から頭悪いからそんなの出来ないんだけどね。というか、本当に何がどうなってそうなるの!?

「少し深呼吸でもしたら?説明すると彼女の派閥とかに関係があるかな?確か彼女、反死神派の人だからね、だからああいったんだと思うよ」

 すいません、それ上司決める段階で何とかならなかったんですかね?もう少し融通の利く人とか。

「いや~、最初はそこまで重要視していなかったんだけど、あとから聞いて驚いたよ。もう少し真剣に考えたほうが良かったって反省はしているけど、この短期間での異動は変に感付かれてしまう危険もある。しばらくは変えないつもりだからよろしくね」

 マジかよ・・・。こっちの心を見透かしたような返答もだけど、あの威圧感が凄い人がしばらく上司なのかよ・・・。死神の件もだが、一切気が抜けない。

「一応統括局での公式発表では、死神は『戦術的友好関係』にあるから、協力できることは協力するが、なるべくユリくんに悟られないようにね。関わっているとわかった時点で裏で粛清に出る可能性も否めない」

 ・・・見境なくやりそうだな、あの人なら。なんていうか想像だけど。

「わかりました・・・。それでなんですが、俺がどうして死神もやっているってことに気付いたんですか?」

「ああ、それは先日、死神の古い知り合いと飲んでいて、そこで聞いた話」

 知っている人かな?まあ、今度ヘルさんとかに聞いてみよう。それにしても、その相手口軽そうだけど、そのあと情報漏えいで消されてないかな?

 そのあと、少し話し込んでしまい、ユリさんが『いつまで待たせるつもりですか!!』と鬼の形相で義経さんともども、説教を食らう羽目になった。

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