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Fly*Flying*MoonLight  作者: あかし瑞穂
再び……今の満月
7/88

PM10:30 和也さんの家

「……入れよ。すぐ荷物持ってくるから」

「は……い……」


 会社のすぐ近くにある、高層マンション。しかも最上階のペントハウス。モノトーン風にまとめられた家具に、夜景が見える大きな窓。大きな液晶テレビに高級そうなソファ。

(ポスター写真に出てきそうな部屋……)

 ……家賃、一体いくら……!?

 思わず、そんなことを考えていたら、いつの間にか、和也さんが目の前に立っていた。


「……ここ、どう思う?」

「は?」


 唐突な質問。私は和也さんを見上げた。和也さんは……無表情だった。


「……冷たい、です」

 思わず本音がこぼれた。綺麗で、整頓されていて、高級感あふれてて……


 ……でも、

まるで体温が感じられない。モデルハウスみたいな感じ。生活感がないっていうか……。


 和也さんは、黙ったまま、私を見た。

「私は……ここには、住めません。こんな温度の無い、部屋には」

「……」


 和也さんに、突然ぎゅっと抱きしめられた。

「えっ!?」

 大きな胸。力強い腕。頬にかああっと血が上る。

(なになになになにっ!?)

 びっくりしすぎて、身体が硬直した。和也さんの心臓の音が……聞こえる。


「……俺も、そう、思ってた」

 ぽつり、と彼が言う。

 ……え……?

「だから……人恋しくなるのかもな……」

「あ、あの……?」


 和也さんが手を離す。足元に置いてあった、スーツケースを手に持った。

「……案内してくれ。魔法の家へ」

「は、はい……」


 ……何だろう、今の……。

なんだか……小さい子みたいな感じがした。守ってもらいたくて……でも、誰もいなくて……。

(こんな大きい人が、まさかね……)

 私と和也さんは、マンションを後にし、和也さんが運転する外車(私には名前わからないし)で、我が家に向かった。

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