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PM2:15 社長室

「な……にっ!」

 ごほごほっと咳き込む。二十階は煙だらけだった。

 秘書室の扉を開ける。部屋の隅に落ちてる筒から煙が出ていた。


 ……目が痛い。

「和也さん……!」


 社長室の中に飛び込む。

 ……部屋の真ん中に、和也さんが、いた。


(様子が……おかしい……!?)

 目。目が……何も、見えてない、目。

 捕らわれてる。何か、に。


 ふらっと和也さんの身体が揺れる。


「和也さんっ!!」

 思わず、和也さんに駆け寄って、ぎゅっと抱きしめた。


「……か、えで……?」

 弱弱しい声。でも……。

「私、分かりますかっ!?」

 顔を見る。血の気が無くて、真っ白になってる。

「……どう、して……」

 私を見てくれてる。心が『今』に戻って来てる。

「……あなたは」

 和也さんの目を見て、はっきりと言った。

「私が守るって、約束したじゃ、ないですかっ!!」

 和也さんの瞳が揺れる。


 ――炎のイメージが伝わってきた。

 ……フラッシュバック!?


「お願い……戻って来て……!!」

 私の声に、和也さんの焦点が、合う。

(今なら……)

「歩きますよ?」

「あ……あ……」


 和也さんの身体を支えながら、扉の方へ向かう。


 社長室から秘書室へと出る。

 こんなに煙が出てるのに、スプリンクラーが全然反応してない……?


 (……な……に……)


 頭の中に、蜘蛛の巣が広がる。誰かが……糸を張って……

 ……和也さんを、罠に掛けようと、している。

(……絶対……守る……っ!)


 なんとか、秘書室の外へ、和也さんを連れ出した、その時――


 ――爆音が響き渡り、ビルが揺れた。

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