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神隠し  作者: 旅人
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第一話『ここは…』

やっと少し前に前進したかな…

 東に向かって歩き続ける事5時間、民家を見つける前に日が先に暮れてしまった。



 自分に置かれている現状の忍職が甘いのでは?っと思われるかもしれないが、怪奇現象に巻き込まれて人間そこまで冷静に物事を推移できるだろうか、出来る人間も居るかもしれないが俺には無い現在進行形で行き当たりばったりな行動だ。



 とにかく民家を見つけて現状把握が、できなければ予定も立てられないまさか5時間も歩いてなにも見つからないとは流石に思わなかった。



 道も無く会社帰りのスーツに草臥れた革靴なので時速2km昼間飲み残していたお茶も飲みきってしまい手元には空のコンビニ弁当と500mlの空のペットボトルとプッチンプリン大。



 夕飯はプッチンプリン大のみ、5時間も行軍した後での成人過ぎの男には物足りない食事だが今更昼間に何も考えずに食べた弁当を後悔しても仕方が無い。



 ゆっくり味わいながらプッチンプリン大を食した所で、もう一度自分に置かれた状況を考えてみた。


 当初は、半日も歩けば民家もしくは道路にでれるだろうと安易に考えていたが、ここからは慎重に考えて行動しなければ命取りになるでは無いかと考え至った。



 無計画な飲食によって自分のライフラインをあっさりと捨ててしまった現状では、これ以上の安易な行動は命に直結すると考え直さなければならない。



 唯一心を安堵させる状況と言えば天候が荒れてない事と気温が体感で25度前後で過ごし易いことだ。



 今の日本では、もう見られなくなった野犬などは居ないと思いたいのだが、そんな楽観的な考えを已め最悪野犬と対峙した時の対処も考える。



 太陽が隠れたのが、5時05分これを17時05分と考えれば冬時間感覚で大体の日時感覚で行動できるはずだ本当は夏場だからまだ明るいはずなんだが太陽の大凡の位置だけでは時間がどの位狂ってるのかさっぱりわからないから仕方が無いが寒くなく雨も降ってない事だけは前向きに日頃の行いが良かったと思いたい。



 日頃の行いが良い奴が神隠しになんか合う筈も無いのだが、それを突っ込む人はここには居ない。



 そして、火も焚かないまま疲れからそのまま平原で瞼を落としてしまった。

 




 朝日で目が覚めると遠くに民家らしき建物が見えた為、頭と目は一気に覚醒し目的地に向けてひたすら行軍。



 6時間ほど歩いて遂にログハウス作りの民家に到着、藁にもすがる思い出ドアを叩く。




『ごめんください、どなたか居りませんでしょうか?』



 家の中から声がしたので安堵とともに、この状況をどう説明するか考える。


 ドアから出てきたのは、見た目40過ぎのガテン系の熊みたいな親父だった。


『見かけね兄ちゃんだな何処から来た?』



 涙が自然と零れ落ちた。



 自分に嘘は、やっぱり付けないものである心の底では、実は此処は日本ではないのでは無いだろうか?っと考えていたのだ。日本語を聞けた瞬間安堵から自然と涙が零れ落ちてきたのだ。



『おい!突然泣き出してどうした。何があった』



 泣き崩れる俺を、親父さんは俺の身体を支えて家の中に入れてくれた。



 俺は、正直に此処に至るまでの経緯を話した。相手に変人と思われても仕方が無いが、この人には真実を話す方がいいと思ったからだ。



『なんだ、お前は転移事故者だったのか』


 




 は?聞いた事の無い単語が親父さんから聞こえた。俺はそのまま唖然とした顔のままで居ると。




『なんだ、自分の身に起こった事が分からないのか?転移事故は偶に起こる空間の歪みに因って起こる事故で数百km時には数千kmを一瞬で移動する事故だ』




 さも当たり前のように言われる言葉には人生で始めて聞く単語に頭がついて来ない。




『まぁ~滅多に御目に掛からないが何十年かに一人位は世界のどこかで起こってるらしい現象だがな。実際に御目に掛かったのは初めてだ。』



 っと笑いながら俺に向かって話す親父。



『ここって日本のどの辺ですか?』




 そう尋ねると親父は、驚いた顔で



『兄ちゃん珍しい単語を使うな、今時この帝国を日の出国、日本なんて言い方する奴久々に聞いたぞ』


学校の授業以来だと笑いながら言う親父を見て俺は、一気に顔が蒼くなる。



 帝国?大日本帝国か?いや順番逆だろう…まさか未来…聞くのが怖いが現状をしっかり理解しなければ、もっと大事になる気がする。それにこの親父さんは、何故か知らないが信じてもいい気がする俺の感でしかないが、吊橋効果で精神状態が正常じゃないのかもしれないが今の俺を騙した所で得られる物はないはず。とにかくにここで情報を正確に仕入れて先を考えなければいけない。



『ここは、北海だ兄ちゃん昔風にいえば北海道だったかな』



 ほぼ未来へ転移したと思っていいと俺は忍職した、どうやら未来にまぎれこんでしまったらしい何年先かは知らないが地名が変更されるとなると相当先の未来に飛んだと思ったほうが良いかも知れない。地名や、ましては国の名前が数年程度で変更されるはずがない内戦真っ只中の国であれば不思議では無いが、経済大国日本が国名や地方名を変えたとなると戦争が起こってその後変更したと考えるのが普通だ。


 俺が居た時代で、そんな大規模な戦争が起こる予兆はまったく無かったが、あの後、中国か北朝鮮辺りが日本に吹っ掛けたのだろうか?



『兄ちゃん顔色が悪いが休むか?』



 俺の急激に変わった顔色をみて具合が悪いと思ってくれたようで休むように行ってくれる親父さんには、悪いが情報頂かなければゆっくり休む気にもなれない。


『大丈夫です。ちょっと説明が足りなかったようなので付け足しながらお尋ねしますが、私は多分転移事故者では無いと思います。』



 ゆっくり丁寧に自分にも言い聞かすように親父さんに話す。



『私が、住んでいたのは西暦2013年もしくは平成25年の日本にある新潟県新潟市に住んでいました。そして会社からの帰宅途中に気がついたら真昼の平原に立っていました。』




 親父さんの顔が驚愕した顔に変形していくのが分かった。




『兄ちゃんまさか次元漂流者だったのか…』



 更に聞いた事無い単語が出てきたが、内容から考え付く回答は、未来じゃなくパラレルワールドか?まさかの二転三転バク転のような展開に思考は、見事にフリーズしてしまった。

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