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ダンデライオンの花嫁  作者: 千鵺
こんにちは異世界
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青いそら

見切り発車で始まりました。

更新はまちまちです。

ご了承下さいませ。

今まで、ただ平凡に生きてきたつもりでした。


成績は中の上、運動神経はないが、かと言って特別突出することもなく。

反抗心ばりばりだった小中学生時代はさておき、ここ数年は、我ながら非常に大人しい子でした。

あまりにも自己主張をしないので、同級生の中に埋もれていた自信すらあるほど。

極力波風を立てず、大人しく、影のように過ごしてきたと自負しております。





…えぇ、まぁちょっと語弊があると言えば、そうですね。

確かに、生来の口の悪さはちょっとどうしようもなく、昔は大層な悪餓鬼でした。

気に入らない輩にはガン付け・悪口雑言を吐き、男子と喧嘩も当たり前。

しかも、今は名残も見当たらないが、昔は小さくて華奢でした。

なのに負けん気だけは誰よりもあったから、見た目に侮ってかかってくる相手には一切容赦しない大人気なさ。

まぁ当時は子供でしたからこの言葉は適当ではありませんけど。

泣かした男子は数知れず…女子としてはあるまじき姿でした。


そして中学からは反抗期も相俟って、今度は矛先が大人へと向かったのは至極ありがちなこと。

当時若かった私は、先生なにそれおいしいのぐらいの勢いで反発をしておりました。

流石に表立って暴言を吐かないくらいの分別は付いておりましたが、否、それ以上にダメでした。

尊敬出来る先生以外は、大体において見下した目線を向けるのは当たり前、場合によっては無視。

タバコや酒は嗜みませんでしたが、ひたすら無視。

最低です。すみません。

一緒に騒いでいたはずの友人から、あんたの目冷たすぎて怖いとドン引きされることもあったほどです。

おかげさまで当時の関係者には、恥ずかしくて顔を合わせられません。

先生方、当時は大変申し訳ございませんでした(土下座)


…えぇ、というわけで、これらすべて若かりし頃の過ちということで私の中では黒歴史となっております。


しかし高校に進学してからは、人が変わったかのようなこの影の薄れっぷり。

あまりにも見事に変貌したらしく、友人達から物凄く心配されたのは、今では良い思い出です。





まぁそれだけなら、きっと他の誰しもが通る道でありましょう。


いくら悪ガキだったからとは言え。

いくらアホで馬鹿な身の程知らずだったとは言え。



こんな目に遭わなくてはならない程、私は悪い子だったのでしょうか。




ねぇ、一体、何が起きたらこうなりますか、神様。










………あんまりだ。











「ここどこ」



ぽつり、呟いた声は誰にも応えてもらうこともなく、大気に溶けた。

そよそよと心地好い風が髪を撫で、足元の緑がさわさわと揺れる。

暑くもなく寒くもなく、お日様は優しく大地へとその光を惜し気もなく降り注いでいる。

ただ散歩にきただけなら気持ち良く過ごせただろうに、今はそんな気分には到底なれなかった。


あぁ、どうして。





「…どこなのよ」





続けて呟いた言葉が虚しく空へと消えてゆく。


ここには自分一人しかいない。

よって、応えてくれる誰かもない。


それを痛いほど感じてはいても、呟かずにはいられなかった。

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