表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/123

34.秘めたる真実

イブはアリエルに警告のメッセージを送った後も、じっとしていることはできなかった。

彼女は、アリエルの過去とイシュタルの危険性を最もよく理解している。もしアリエルが単独でイシュタルに挑めば命を落とすか、再び闇に囚われる可能性が高い。

彼女は、アリエルが大切にしている人々…イーグルとローズの存在が、彼を救う唯一の希望だと知っていた。

彼女はすぐに車に乗り込み、イーグルがいるスラムのBARへと向かった。

イーグルは、イブの突然の訪問に驚きを隠せなかった。彼は、イブがかつてアリエルの上官だったことを知っていたが、彼らが個人的な接触を持つことはなかった。イブは単刀直入に用件を切り出した。

「イーグル、あなたに頼みがあるの。アリエルが、今、危険な任務に就いている」

イブの言葉に、イーグルの表情がこわばる。

「アリエルが?ヤツはもう、そういう世界から足を洗ったはずだ」

「いいえ。彼は、私が仕掛けた罠にかかったの。この街に蔓延する『黒い花』を止めるために、彼は再びナイフと銃を手に取った。そして、その裏には、かつて彼と同じ組織にいた、イシュタルという男がいる」

イブはイシュタルの危険性、そして彼がアリエルの過去を精神的に攻撃していることを説明した。

イーグルはため息をついた。

「……なぜ、もっと早く連絡しなかったんだ?」

イーグルの問いに、イブは静かに首を振る。

「アリエルは、もう私を信用していない。彼は、一人でこの問題を解決しようとしている。でも、彼を救うには、彼の過去を知る、あなたたちの力が必要なの」

イブはイーグルに、イシュタルの居場所と、彼がアリエルを精神的に追い詰めていることを伝えた。

そして、彼女は最後にアリエルが最も信頼する人物に会うために、もう一つの場所へ向かうことを告げた。

ローズは、新しい仕事の休憩時間に、コーヒーを飲んでいた。彼女は最近、本当に穏やかな日々を送っている。ミルストンの影に怯えることもなくなり、この街の新しい光の中で、自分の人生を歩み始めていた。

その時、彼女のスマートフォンが鳴った。画面には「非通知」と表示されている。警戒しながらも通話ボタンを押すと、聞き覚えのない、しかし強い意志を持った女性の声が聞こえてきた。

「ローズ・リデル…あなたね?」

ローズは一瞬、身構えた。電話の向こうの女性は、彼女の本名と偽名を把握しているようだった。

「どちら様ですか?」

「私はイブ。アリエルの…元上司よ」

その名前に、ローズは驚きを隠せない。イブという名はブラックボックスでは都市伝説、噂でしかないと思っていたからだ。

「あなたに、アリエルを助けてほしいの」

イブは、アリエルがイシュタルと対峙していること、そしてイシュタルが黒い花の成分を利用して、アリエルの過去の記憶を精神的に攻撃していることを説明した。

「彼は今、過去の罪悪感と戦っている。彼の心は、あなたやイーグルとの穏やかな日々で満たされた。だからこそ、彼は今、過去の闇に引き戻されそうになっている」

イブは続けた。

「あなたには、アリエルがこの街を救ったように、彼を救ってほしい。あなたたちの存在こそが、彼がもう昔の暗殺者ではないという、揺るぎない証拠なのよ」

ローズは、イブに居場所を尋ねた。彼女の瞳には、かつての弱さはなく、強い決意が宿っていた。

「わかったわ。アリエルは…私の、大切な友人でビジネスパートナーだから」

電話を切ったローズは、すぐに立ち上がった。彼女は新しい仕事着のまま、走り出した。彼女の向かう先は、イブが指定した、アリエルが過去と対峙する場所。

イブは、二人の協力者を得た。彼女は、アリエルが築き上げた新しい繋がりこそが、彼自身を救う鍵だと信じていた。そして、イシュタルの真の目的が、「黒い花」の拡散だけではないことを知っている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ