23.アリエルの決意
電話を切った後も、アリエルは、しばらくの間、カウンターに立ち尽くしていた。ミアの無邪気な笑顔が、アリエルの脳裏に浮かぶ。
「……まったく、子どもには勝てねぇなぁ。」
アリエルは、そう呟くと、カウンターの奥から一丁の拳銃を取り出した。それは、このBARの裏の顔、そしてアリエルの過去を物語るものだった。
アリエルは、銃を手に取ると、そのままBARの扉を開け、夜の街へと踏み出した。
「……仕方ない、少しだけ付き合ってやるか」
アリエルは、そう呟くと、ゆっくりと歩き始めた。その足取りは、まるで、この街の闇に、新たな光を灯すかのように、力強かった。
アリエルはBARの扉を閉め、夜の闇へと溶け込んでいく。ミアの笑顔が、彼の心に火をつけたのだ。
「まったく、厄介な話に首を突っ込むことになったもんだ」
独り言を呟きながら、アリエルは路地裏の闇を突き進む。彼が向かう先は、イーグルから聞かされた情報をもとに割り出した、キラー曹長が使用していた武器の製造工場だった。
アリエルは、かつてこの街の闇で、恐れられた存在だった。彼はその過去を捨て、BARのマスターとして静かに暮らしていた。だが、ミアとの出会いが、彼の封印した過去を呼び覚ました。
「こんな街で、お前みたいな子供が笑っていられるように、少しばかり掃除してやるか」
アリエルは、そう呟くと、腰に差した拳銃を握りしめた。彼の瞳は、夜の闇に負けない、鋭い光を放っていた。
彼の足取りは、もはや躊躇のないものだった。
これは、ただのバーテンダーが、再び戦場へと舞い戻る、新たな物語の始まりだった。




