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123.【魔改造:黒曜の進化と鉄のリボルバー】

フェネカの工房は、外観のボロさとは裏腹に、内部は高度な魔導旋盤や得体の知れない計測機器が整然と並ぶ「鉄の聖域」だった。


■イーグルの銃の秘密:【黒曜】の進化

フェネカはイーグルから奪い取るように【魔導狙撃銃・黒曜】を手に取ると、内部構造を鋭くスキャンした。

「……あきれたね。この銃、ただ魔力弾を飛ばすだけだと思ってたのかい? ライフリングの刻みが魔導回路そのものになってる。これ、撃てば撃つほど使い手の魔力特性を学習していく『未完成品』だよ」

フェネカはニヤリと笑い、棚から怪しく光る薬剤を取り出した。

「イーグル、アンタのバレルの回路を組み直して、排熱スリットから毒素を循環させる。これで弾丸に強力な『腐食』と『麻痺』の属性を付与できる。……やるかい?」

「……最高にエグい奴を頼むぜ」

イーグルの承諾を得るやいなや、フェネカの指先が精密な動きで銃を解体し始めた。


■ブラックボックスの再来:鉄のリボルバー

さらにイーグルは、フェネカにある「図面」を差し出した。それは、かつて「ブラックボックス」で使用していた旧式の、しかし信頼性の高いリボルバーの設計図だった。

「フェネカ、もう一丁頼みたい。魔力弾じゃない、『鉄の弾丸』を火薬で弾き出す無骨な奴だ。魔導全盛のこの世界じゃ、物理的な衝撃の方が刺さる場面がある」

フェネカは図面を凝視し、キツネの耳を激しく震わせた。

「……火薬と鉄の弾丸だって? 魔力を通さない『ただの鉄』をぶつけるなんて、一周回って新鮮だね。いいよ、最高の鋼材で組み上げてやる」


■アリス専用兵装:【魔導ハンドガン・ステラ】

一方で、ローズはホログラムディスプレイを空中に投影し、アリスのために描き上げた設計図をフェネカに見せていた。

「フェネカ、これを見て。アリスの膨大なMPを一点に集中させる必要はないわ。彼女の多属性適性を活かすために、チャンバーを五つの属性に分割。トリガー操作一つで、その時最適な属性を自動選択して撃ち出す『マルチバレル・ハンドガン』よ」

フェネカはローズの設計図を凝視し、二本の尻尾を激しく振った。

「……イカれてるね。こんな複雑な魔力バイパス、普通は焼き切れる。だが、アリスの解析魔法を制御系として組み込めば……成立する!」

二人の天才が火花を散らす中、アリスのための特注武器【魔導ハンドガン・ステラ】の製作が始まった。

「アリス、これを持つってことは、ただのウェイトレスじゃなくなるってことよ。……いいわね?」

ローズの問いに、アリスは緊張に震える拳を握りしめ、真っ直ぐに頷いた。

「……分かってるッス。私は、この店の『盾』にも『矛』にもなってやるッス!」

数時間後、工房には三つの「凶器」が並んでいた。

紫色の怪しい光を纏う狙撃銃、鈍く光る鉄のリボルバー、そして銀色の多機能拳銃。

「さあ、お代は高くつくよ。……まずは、外で騒いでる鼠どもの掃除で払ってもらおうか」

フェネカが顎で入り口を指すと、工房を囲むように複数の殺気が膨れ上がっていた。フェネカの技術と、BAR【プラチナ】の面々が持ち込んだ異世界の知識。それらを狙うハイエナたちが、絶好の「試運転相手」として現れたのだ。


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