一般文芸「その部屋で『勉強』をしてはいけない」
最後の方はエッセイジャンルの個人企画の宣伝になってたよ・・。まっ、いいか。
いや、よくない。これはなろうの規約である
「作品本文欄を使用した宣伝・告知行為は禁止」に抵触する。特に『告知行為』部分がモロである。
なので本文中の『朝起きたら……企画』部分は『○×△■……JIS規格』と伏字に直しました。
ついでに『してはいけない企画』も架空の『飲み過ぎてはいけない規格』に変えてあります。
更に念には念と、危ない部分は後書きエリアに移しました。うん、これで完璧だっ!
くくくっ、ぽっちよ。お主も悪よのぉ。
いえいえ、お代官様ほどでは。にょほほほほ。
この国には禁忌がある。それを破ると破った者に災難が降りかかると言われている。
その禁忌とは『その部屋で『勉強』をしてはいけない』と言うものである。
この禁忌のチカラは強力で、これまでこの禁忌を破った全ての者はその部屋で勉強した内容を一生忘れられなくなった。
こう言うと「それの何が災いなんだ?むしろ良い事ではないか?」と思う者もいるだろう。
だが考えてみて欲しい。『勉強』とは知識の吸収である。なので教科書の内容を理解する事だけが勉強ではないのだ。
だから当然その部屋でネットを閲覧すればその全ての内容が脳内に記憶される。ラノベを読めばその物語の一語一句を覚えてしまうのだ。
この事によりたった33ケ月その部屋で過ごすだけで脳の記憶領域は満杯になってしまう。こうなると最早新しい知識を吸収する事は出来なくなる。
そう、人とは『忘れる』事によって記憶領域の空き容量を確保し続けているのだ。それが出来なくなるという事は、情報的な『死』を意味する。
そしてそんな恐ろしい部屋がこの国には幾つも存在している。そう、その部屋の名前は『教室』と言った。
因みにこの『教室』という言葉は別に学校にある部屋だけを指すものではない。なので『お料理教室』や『サッカー教室』、『水泳教室』や『SF教室』なども教室に含まれる。当然ながら『学習塾』も教室だ。
故に人々は記憶領域の空き容量を常に気にしながら生活するようになった。そして空き容量を具体的に把握する為に、記憶容量を示す単位まで作りだしたのである。
その単位が『ナツ』だ。この単位が使われるようになった経緯は良く判っていないが普通の人は4テラナツくらいの記憶容量を持っているらしい。
まぁ、稀に8テラナツとか12テラナツなどの驚異的な記憶容量を持つ人もいたが、それはあくまでイレギュラーな存在であり絶対数は少ない。
因みに『テラ』とは数字の大きさを示すSI接頭語の名称であり、テラはギガの1千倍の事である。
で、如何にネットが情報量を無駄に消費するとは言ってもネットが魅了的な事に変わりは無い。なので人々は何とかしてネットを閲覧しようとあれこれ工夫をした。
そんな中で、テキストベースのサイトは情報量の割りに消費される記憶容量が少ないという噂が流れた。
確かにテキストベースのサイトは画像を多用するサイトと比較すると天と地ほどの差があった。なんせ33万文字のテキストでも、その消費される記憶量はたったの660キロナツでしかないのだ。
これに対して画像は情報量を圧縮した形式であっても1枚200キロナツを越える事などざらである。そんな画像を10枚も閲覧したら忽ち2千キロナツだ。
因みに『キロ』とは数字の大きさを示すSI接頭語の名称であり、キロはメガの1千分の1の事であり、メガはギガのこれまた1千分の1の事である。
つまり1ナツの1千倍が1キロナツで、1キロナツの1千倍が1メガナツなのである。更に1メガナツの1千倍が1ギガナツで、1ギカナツの1千倍が1テラナツなのである。
この事により普通の人は1枚200キロナツの画像を2千万枚ほど閲覧するとそこでジ・エンドとなるのだ。
まぁ、2千万枚という数は相当大きな数字ではあるが、それでもネットから降りてくる画像の数は非常に多いので、100や200はあっという間に消費してしまう。ヘビーなネットユーザーならば2千枚を消費するのもあっという間だろう。
更にこの1枚200キロナツというのはあくまで800x600サイズの画像の平均値なので、これよりも大きな画像を閲覧するとナツの値も跳ね上がる。
そう、画像とはとても『ナツ』を消費するものなのだ。
なので人々の間では急速に『画像離れ』が進行した。それに代わって台頭してきたのが『テキストストーリー』つまり『小説』だ。
しかもこの小説に関してはネット上のテキストではない紙の書籍だとナツの消費対象が『1文字』ではなく『1ページ』になる事が判明したので、333ページの本でも読みきった時の消費ナツ量はたったの333ナツでしかなかった。
更に紙の本にすると、そこに画像や挿絵が使われていてもあくまでカウントされるのはページ数なので33ページの写真集でも消費ナツ量はたったの33ナツだったのであるっ!
この事により、世界は急速に情報伝達方法をデジタルから紙の本へと変えていった。なのでちょっと前まで絶滅危惧職種と言われていた本屋も息を吹き返し大繁盛である。
勿論、中にはか「教室で閲覧しなけりゃナツは消費されないはずだ。」と言って、屋外でスマホを見る者たちもいた。
しかしそんな者たちに対しても今回の騒動の首謀者である古代中国で学問や科挙の神として信仰された『文昌帝君』と、日本でも学問の神様と慕われている『菅原道真公』、更にエジプトにて知恵と知識の創造神と崇められている『トト神』は抜かりなく対応してきた。
その対応策とは『この世界全ては人生という勉強の場である』という屁理屈だ。
これによって全ての場所は『教室』と見なされるようになった。そう、人間の浅知恵など神には全く通用しないのである。
しかし人間も負けていなかった。なんと、とある天才が『外部記憶装置』というモノを発明したのだっ!これにより人間の記憶容量は飛躍的に増大した。
なので人によっては外部記憶装置容量の殆どが『お宝画像』で埋め尽くされているらしい。
因みに神様たちはこの外部記憶装置に対して対抗策が取れなかった。何故ならば外部記憶装置は『人』ではないからだ。
そう、神様は人には干渉出来るがモノには手が出せなかったのである。
こうして世界はまた平穏な日々が戻ってきた。一時は勃興した本屋も来店者が激減し忽ち廃業に追い込まれた。
ネット上の小説投稿サイトも今では一部の好事家しか作品を投稿してこない。この事に対して神々は今回の騒動の真の黒幕である『神輿 恋菜 (みこし こいな)』に詫びを入れてきた。
「神輿 恋菜様、此度の失態は全て我らの至らなさゆえ、なにとぞこの皺腹を掻っ切る事にてご容赦頂きたい。」
「あーっ、気にしないでいいよ。そもそも今回の『規格』は単なる思いつきだし。」
神輿 恋菜の言葉に神々は涙する。いや、何故そこで泣く?そもそも単なる思い付きでこんな騒動を起こしたのは神輿 恋菜だぞ?お前たちはそんな理不尽に対してよくがんばったじゃないか。
しかし神々は神輿 恋菜に対して絶対の信仰を持っていたようである。なので謝罪として缶ビールを33ケースと、ツマミとしてマグロを醤油や砂糖で甘辛く味付けした角切り珍味を差し出した。
これにより神輿 恋菜はたちまち個人自主企画の事を忘れた。そう、一部の者たちにとってアルコールとは『忘却魔法』と同様の効果を発揮するのである。
かくしてまた世界は平和となった。しかし災害は忘れた頃にやってくるのが常である。なので神輿 恋菜は酔いが醒めたらまたぞろ新しい災難を持ち出してくるであろう。
いや、その芽は既に預言されている。それは『○×△■……JIS規格』だ。いや、もしかしたらアルコールの忘却作用で神輿 恋菜自身も忘れているかも知れないが、一応備えておくべきであろう。
さぁ、皆の者よっ!書くのだっ!そして多分一番ウケるのは『朝起きたら神輿 恋菜になっていたっ!』であろうっ!
これは某お菓子の名前で自分を崇める『規格』を発表した者に対する神輿 恋菜の挑戦状であるっ!
彼の者を崇めた作品の投稿数は実に37作品っ!果たして神輿 恋菜の信者たちはこの数字を越えられるのかっ!
今こそ、信者の信仰心が試される時であるっ!なので『飲み過ぎてはいけない規格』はひとまず置いといて『○×△■……JIS規格』で『朝起きたら神輿 恋菜になっていたっ!』を書こうっ!・・となろうの神様が電波でおっしゃりました。
うん、朝から晩まで飲んだ暮れている作品ばかりが投稿されて来そうだよ・・。
最後に、これはあくまで神様のお告げであり企画の宣伝や告知ではありません。お間違えのないように。
-お後がよろしいようで。-