85話 魔王が危惧している事。
あの後一騒動あったが、無事に収束し
今、宿屋にいる。収入も入ってきているし、商店の近くに家を建てようかな。まあ、能力を使えばお金を使わなくて済むんだけどさ。う〜ん、と悩んでいると魔王から連絡がくる。どうやら、またイポスが良からぬ事を企んでいるらしい。
イポスはあれから、姿を消ししばらく噂もなかったが、最近になってなんと、勇者を味方に魔王城に攻め入るとの噂が経っている。世間では、勇者が魔王を討つためにという見方だが。俺からすれば、イポスが関わっているからろくな事にならない。それで魔王直々に連絡が来たんだ。出来ることなら魔王がイポスを倒して欲しいところだが、魔王曰くあまり関わりたくないらしい。イポスに。
面倒くさいんだってさ!それは、俺も一緒だし…。
せっかく、事業がいい方向に向かって行っているのにさ。
建物を破壊なんてされたら、俺の怒りは頂点まで達するよ。
そんな事を思っていたら、魔王から提案された。
【多分目的は私の能力だろうから、一旦それを君に預けよう、流石に私もイポスの能力には叶わないからな】
【それに、君の今の宿敵だろう?その完成された指輪を使う機会じゃない?】
俺も魔王の能力を奪われたら結構厳しいと思う。だけど、どうやって能力を預かるんだよ
【今の君はできると思うから、とりあえずそちらに向かう】
暫くすると、魔王が現れる。
もうちょっと現れる演出とかないのかな?普通の人なら、幽霊と勘違いするよ。
【さて、まず俺の体内を能力で覗いてみろ、】
・・・なんか言い方が変態っぽいな
俺は指示通り行う。
【ここで重要なのは、魔法や、透視だと意味がない。お前のもつ能力でしか見れないんだからな そして、マナが漂っている奥深くまで覗いてみろ】
かなりの量のマナだ。伊達に何年も生きてないな…
【そして、又さらに奥を覗け そうすればお前には見えてくるはずだ。能力の正体を。】
マナのさらに奥を覗き、少し時間が経った頃 小さく、だけど僅かに【それ】が見える
「・・なんか、光った小さいものがあるんだけど」
【そう、それが一人一人がもっている能力だ。それを掴んで出してみろ】
え?物理的に??
光ってるものに手を伸ばし、取り出してみる
掌を見てみると、光った【なにか】なのは分かるが形が定まらない。
【それを自分の中に入れてみろ】
体内へ入れると、なにか違和感がある。
【そうだろうな、本来は一人一つの物だから。まあ、それを奪っているアイツは異常だ。】
魔王は、【とりあえずはこれで安心だ。いつ来ても能力を奪われる心配はない
お前が奪われない体質で助かったよ】
体質なのかどうかは知らないけど…
魔王は嬉々として、魔王城へ戻った。




