35話 トランス
そうこうしている内に、ルー王国に到着する まず俺達は国王、そして王子に挨拶をし、事の経緯を伝えた。俺達が直々に戦う事は驚いていたが、なぜか(いぶき)の方を見て懐かしむような、憐れんでいるような表情をしていた。
アイツ(ウァサゴ)が現れる場所が、王国の地下、スラム街だった
実際にいってみるとお酒で酔いつぶれたおっさんやそいつの懐からお金を盗んでいる汚れた格好の若者や子供
クラブに誘ってくる妖艶な女性
ここにアイツは何しに来てんだよ・・
ー回想ー
ルー王国へ逃げたベンガルとペルシャ
ベンガル ここは…国といっても貧相なところだな…金がないのか?
ペルシャ いや、スラム街っていう所じゃないか、光があれば闇があるように
王国にはお金があっても、ここにはお金がないんだよ
しばらくスラム街を歩いていると、前から、子供がぶつかって来た
子供「ごめんなさい!ぶつかっちゃった」
ベンガル「大丈夫、君は怪我してない?」
子供「うん、ありがとう」
すると子供のお腹からグーっと音がした
思わず笑ってしまった俺は、顔が赤くなってしまった子供に能力でおにぎりを出してそれをあげた。
子供「美味しい、ありがとうおじちゃん」
ベンガル「俺はおじちゃんじゃない…」
側でみていたペルシャは笑い転げていた
ー現在ー
スラム街を歩いていると、向こうの方から何か騒ぎがおきている 行ってみると、冒険者とスラム街の人間が戦っている。どちらも同じ強さのようで勝負がつかない。2人を見ているとスラム人の耳に怪しげに光っている物が見えた
俺は最近覚えた開示能力でそいつのステータスを見た すると、洗脳がかけられていた
俺 きっとあの耳についている物のせいだろうな…
一か八かイメージし、洗脳を解く魔法を創造する それを冒険者の拳に宿し、あたかも冒険者の拳で倒れたように思わせる 拳が当たったのと同時に耳の怪しげな光の物体が割れた
スラム人 ・・・あれ俺何でこんな所に…ていうか、身体のあちこちが痛い!
と、ギャーギャー騒ぎ出した
俺はそれを見ながらも、一瞬だったが、ここから見える路地にアイツ(ウァサゴ)が居たのを見た
急いで俺はそこへ行く、影がどんどん遠のくが、ある一角を曲がると 目の前にアイツがいた 逃げるのをやめたかの様に
ウァサゴ 嬉しいですね、貴方から来てくれるとは、隣りにいた邪魔者たちも連れずに。
俺 お前 息子を蘇らせてほしいと言ってたよな、殺戮を始めるのとどう関係があるんだよ
ウァサゴ それは…生贄ですよ
あの人は言いました、息子を蘇らせるには生贄が必要だと命の数が足りなければ、貴方に頼んでも蘇らす事は出来ないとね。
俺 何を言っている
はじめから死んだ者達を生き返らせることなんてできるわけがないだろう
白虎を持っている俺でも不可能だ
ウァサゴ ・・・・そんなはずはない、そんなはずは、あの人は言っていた。
そんなはずはないんだよ、お前が言っていることこそが嘘だ
・・・あの時お前に会わせなければ、お前の所に向かわせなければ、お前が…お前が! やはりお前は邪魔なんだよ、ベンガル、私の息子を返せ!!っ
ウァサゴはそう言い俺に向かって闇魔法【グラビデ】 を放ってきた
俺は、まずいっと思い、能力でアンチ魔法を打つ そして白虎を召喚し、白虎に【イーリス】を放つよう指示する
すると、ウァサゴはなんとか回避したが右足を負傷した
後にシビールとシバも合流する
2人は俺が急に走ってどうしたのかと驚いていたが、目の前にウァサゴを捉えると戦闘態勢に入る。が
負傷したウァサゴの影から、「あの人」が出てきた。
あの人 おやおや、中々手こずってるようですね。流石の貴方も白虎相手には厳しかったようです
あの人=イポス はそう言いこちらを向く 俺でも分かる こいつはかなり強い
そして殺気立っている
イポス ほんと、いつの時代も貴方という人は見るだけで私を苛立たせますね
それにそこの2人、いつも私の邪魔をしては、殺され転生しては、またやつの側にいて邪魔をしてくる…
やっとの思いで数年前に殺せたと思ったのに…このように転生しているじゃありませんか。・・・・この世界で最強なのは私だけでいいんですよ、2人もいらない
そう言うと、イポスは
上位魔法【フレア】を放つ
俺は、新しく考えた能力を使うことにした、
【トランス】
そう言うと、ティーグルは俺に憑依した
姿も人間態の白虎 人間態でも両脇にいつもの2匹がそのままの姿で、滞在している
身体の周りからは白虎が放っていたオーラを纏っている
シビールとシバは唖然としているようす
俺は軽く身体を動かしてみた。
すると人間の目ではとても追えないような速さをしていた




