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青い海のナギ  作者: 村松希美


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25 海にかえったあと




 数日後の朝、秋の海は青色が濃くなり、何だか寂しい感じがした。


 潮の匂いと、カモメの鳴き声。


 青はまだ胸の奥にあのナギとの別れの出来事を抱えたまま、いつもの防波堤で海を眺めていた。


 ナギが去った防波堤のあたりを見つめると、ふと、海面の奥にきらめきが走った。


 次の瞬間、小さな水の泡とともに、岸辺近くまで何かが流れ着いた。

 それは、手のひらほどの大きさの貝殻だった。


 「……これは」


 青が拾い上げると、貝殻の内側に、透明な小瓶がそっと収まっていた。


 小瓶の中では、きめ細かな白い粉が月明かりのように淡く光っている。

 栓の部分に、小さな貝の欠片で作られた札が結びつけられていた。


 そこには、ぎこちない文字でこう刻まれていた。


 ――青へ。人魚族に伝わる良薬、真珠の粉。あなたのお母さんを助けます。


 青は思わず小瓶を胸に抱きしめた。

 ナギがもういない海の向こうから、それでも届いた想い。


 あたたかい何かが、心の奥まで広がっていく。


 その足で青はオババの家へ向かった。



 橋台の下で洗濯をしていたオババが、青の手の中の小瓶を見て、目を丸くする。


「ほう……人魚がくれるとは、よっぽどおまえのことを気に入ったんじゃな」

「これ、本当に効くの?」

「効くともさ。百年に一度しか取れん真珠の粉だよ。水で溶かして飲ませるといい」


 青は深くうなずき、急いで家へ帰った。


 母は、まだ布団の中で浅い呼吸をしていた。

 青は台所で湯を沸かし、小瓶の粉をそっと溶かして差し出した。

 母は少し驚いた顔をしながらも、それを飲み干した。


 数分もしないうちに、母の頬にほんのりと赤みが差した。

 目を開けた母は、青の顔を見て、弱々しい笑みを浮かべた。


「青……なんだか、からだが楽になったわ」


 青はその場で声をあげそうになったが、ただ強く母の手を握った。

 窓の外では、波の音がやさしく響いている。


 ——ありがとう、ナギ。


 心の中でそうつぶやくと、青の目の奥にまた熱いものが込み上げてきた。

読んでいただき、ありがとうございます。


この章ほぼAIが書きました。


青とナギの小学生編は、この章で終わりです。

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