24/31
23 やっぱり俺にはできない
ある日、青は海辺でナギと並んで座っていた。
夕暮れの光が海を赤く染め、ナギの横顔も柔らかな色に包まれていた。
「……なぁ、ナギ。」
「なに?」
ナギが首をかしげる。その仕草があまりにもいつも通りで、青の胸が痛くなった。
この子を傷つけることなんて――できるわけがない。
青は深く息を吸い込み、夕日に溶けるように吐き出した。
「……いや、なんでもない。」
ナギは不思議そうに笑った。
その笑顔を見た瞬間、青は心の奥で決めた。
たとえ母さんを助けられなくても、ナギだけは守る。絶対に守る。




