23/31
22 青の葛藤
その夜、青は布団の中で何度も寝返りを打った。
ナギは……人魚だ。
もし、その肉が本当に病を治すのなら――。
「……バカなこと考えるな!」
青は自分に言い聞かせる。けれど、母さんの弱った顔がちらつくたび、頭の中で「もし」という声が消えなかった。
次の日も、その次の日も、青はナギの顔を見るたびに胸が苦しくなった。
ナギはばっちゃんから、青のお母さんが入院したことを聞いていたが、容態が酷いとは聞かされていなかった。
ナギは、青に、
「すぐに良くなるんでしょ?」
と、無邪気に言うが……
「でも、私、青のお母さんが早く良くなるように、お祈りする」
ナギは、その場で目を閉じて手を合わせ、天に向かって祈っていた。
青は何だかいたたまれなくなった。




