18/31
17 シロの絵に込めた思い
ナギは静かにシロの絵を描き続けていた。
その瞳は真剣で、ひと筆ひと筆に丁寧な愛情が込められているようだった。
シロのふわふわの毛並み、優しい瞳、いつも元気に走り回る姿。
ナギは人魚の世界で出会えない、温かい命のぬくもりを感じていた。
完成した絵を青に見せると、青は驚いた。
そこには、ただの犬の絵ではなく、シロの性格やふだんの動きまでも感じられるような生き生きとした表情があった。
「すごいな、ナギ。まるでシロがそこにいるみたいだ」
青は心から感嘆した。
ナギは照れたように微笑んで、言った。
「シロは、青の大切な家族だから。だから、一番大事に描きたかったの」
青の胸の中に、ぽっと温かいものが灯った。
──ナギは、少しずつだけど、人間界のことを知り、受け入れてくれているんだ。
その日、二人の間に流れた時間は、言葉以上の絆を結んでいた。




