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12 帰り道の話
車を降りてから、青とナギはゆっくりと家まで歩いて帰った。
ナギはスヌーピーのTシャツを手に、嬉しそうに握りしめている。
「ナギ、どうだった? ケンタッキーの味」
「最高だったよ! あんなにジューシーで香ばしいお肉は初めて。海の中にはない味だね」
青は笑いながら言った。
「海の中じゃ、生魚やワカメや海藻だから、そういうの珍しいんだろうな」
「そうだね。でも、青の家みたいに温かいところで、みんなで食べるのはもっと嬉しいな」
ナギは少し顔を赤らめて言った。
青はちょっと照れたように目をそらし、ふと聞いた。
「ナギは、家ではどんなことして遊んでたの?」
ナギは少し考えてから答えた。
「海の中で泳いだり、珊瑚の間を探検したり。あとは、カニさんと遊んだりかな。人間界の遊びはまだまだ知らないけど」
「そっか。今度教えてやるよ、人間界の遊び」
二人の足音だけが、静かな夕暮れの道に響いた。
小さな冒険はまだまだ続いていく――そんな予感が胸に広がっていた。




