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■四章 聖夜の魔法が送る初恋 7


 ■■■


 太陽が沈み、月明かりと星が照らす夜空の中聖夜の魔法は開催された。

 緊張と期待の空気に包まれた会場はとても賑わっていた。

 舞台裏には勇者になろうとする学生が集まっている。

 ただし小柳千里だけは告白を受けてから、こちらに来るので実質最後までくることはない。


「小柳千里さん! 入学式の日偶然手が触れた時から僕小柳さんとの運命を感じました。どうか僕と付き合ってください!」


 普段クラスでも大人しい男子が見せる勇気に「よく言った!」「それでこそ男だぁ!」と周りが応援の言葉を送り後押しをする。


「小野君ありがとう。でも私好きな人がいるのでごめんなさい」


 頭を下げ三十一人目の勇者が悔し涙を見せながら立ち去って行く。

 他の女子たちも名前を呼ばれては返事をしていく。

 告白を受けるか受けないかをその場で決める者も中にはいる。

 それでも全体的に見れば成功率は小柳千里を除けば九割越えとかなり高い。


「川村隆二君!」


「お、俺ぇ!?」


「はい。三年生の野外活動で同じ班になった時リードしてくれてありがとう。その時からずっと好きでした!」


 と、嬉しいハプニング到来でリア充になる者たちも意外に多い。

 時間が進むに連れ会場全体が熱気の嵐に包まれていく。

 そして小柳千里に告白すると宣言した最後の挑戦者が破れた。


「さぁ、聖夜の魔法も残すは二名! もしかしたらあなたが告白されるかも! さてこの二名はどなたに想いを伝えて幸せな未来を掴むのでしょうか! 皆さん最後までその目で見届けて下さい! これから二分間の準備時間に入りますので少々お待ちください」


 司会進行役の声に合わせて会場全体の証明が落とされ、月明かりだけが薄っすらと会場を照らす。その間に多くのスタッフが一斉に動いて準備を始める。

 会場からはちらほらとなにが始まるんだ? と声が聞こえ始める。

 残り一人は小柳千里であることは薄々皆がわかっている。

 そうなると、ラスト二人目が誰かと言うことになる。


「急に呼ばれたかと思ったら、お前の手伝いとは俺も可哀想だよな」


 暗闇の中、燕尾服姿の坂本が呟いた。

 黒い衣装に着替えた男が返事をする。


「昨日呼ぶって伝えたはずだが?」


「千沙次第って言ったよな?」


「お前なら何とかするって思った」


「へいへい。それにしても前代未聞のマジックショーの告白よく先生が認めたな。それに学園側も相当金をかけてくれたみたいで……どんな手使ったんだ?」


「なにも。ただ東城明久のマジック生で見たくありません? って言ったらすぐに許可が降りただけだ」


「お前……国家公認の魔法使いの権力利用したのか?」


「…………」


 準備が終わり、スタッフから無線機を通して準備完了の報告が来る。


「A班準備完了、いつでも行けます」


「こちらB班。同じくいつでも行けます」


「C班も問題ありません。いつでもどうぞ」


「では皆さん、お願いします」


 和田の一言で聖夜の魔法に相応しいマジックショーが開演する。


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