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負けず嫌いな幼馴染と超一途な元カノと学園生活 in 聖夜の魔法編 ~ 真実(心)にたどり着ける恋こそ愛である ~  作者: 光影


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■三章 真実と過去 5


「むにゃ? あっ……明久くんだぁ~おはよう……」


 大きな胸の谷間に和田の腕を挟んでべったりの小柳。

 胸の柔らかい弾力が腕に伝わり、圧倒的なボリュームであることを教えてくれる。

 その時にゴリッとなにかが当たった。


「なにか付けてるのか?」


「えっ? ブラジャー着けてるよ?」


 寝ぼけているのか、色々とアウトな答えが返ってきた。

 もしこれが和田じゃない男子だったら発狂するレベルで喜んだだろう。


「下着以外で」


「あー、もしかしてこれ?」


 首からかけているネックレスを取り出して見せてくれる。

 それは赤色の魔力石でできたネックレスだった。


「今日明久君にみせてあげようと思ってて着けてたんだった」


「綺麗だな」


「でしょ」


 小柳は何処か懐かしむように言う。


「トパーズには「成功」や「希望」って意味があるの」


「あぁ、いい意味だよな」


「それとは別に何か目標があるとき、叶えたい夢があるとき、新しい出来事に取り組むときに助けてくれるの」


 そう言って小柳は和田がトパーズに見とれているタイミングを見計らって優しいキスを和田にする。


「へへっ、ごめんなさい。でもこれが今の私の気持ち」


「千里?」


「寝て、少し気持ちが落ち着いた。誰のために国家公認の魔法使いになったか思い出した。だからもう大丈夫。心配かけてごめんね」


 熱を帯びた頬は赤い。

 精一杯の頑張りに和田は「気にするな」とだけ返事をする。


「もうそろそろ授業終わる時間だね。もうちょっと一緒に居たいけど皆にバレたら大変だから私が先に戻るね。明久君はチャイムが鳴ったらそのまま教室に行って。あとはタイミング見て幻術魔法解くから」


「わかった」


「今日はありがとう。それとこれは私からのお礼。彼女が居るから告白したらダメなルールはこの世にないよね? そう言えば、モテない男にはわからない悩みがあるんだってね? 近いうちに可愛い女の子から告白あるかも? だよ!」


 そう言って小柳は体育館に戻っていく。

 一人取り残された和田は「えっ?」と驚いて、しばらくその場を動こうとしなかった。

 小柳の最後の言葉を反復して解析する和田。

 何度考えても出される結論は――同じだった。



 ■■■


 小柳は体育館には戻らずBグループが演習組手を行っている武道場の近くに来ていた。


「もうバレちゃった……後には引けないよね、私」


 ――告白するなら……聖夜の魔法。


 これ以上チャンスの場面はない。勝機が一番高いのは此処しかない!


 ――予想しなかった展開。だけど今なら勝てる。


 私の読みが正しければ、最後私にもドキドキしていたはず。

 私の魔力を腕に流して確認もした。脈拍も上がっていた。


 ――聖夜の魔法……そこでマジックを見せる。

 明久君があの日優勝したのだって魔法だけじゃない。

 マジックがあったから。そう私たちは今も昔もマジックで繋がっている。


 ――中学時代から北条さんのことは嫌い。

 だっていつも明久君の隣に居ようと隙あればアタックしていたから。


 ――だから今度は私の番(私が挑戦者)。


 チャイムが鳴るタイミングに合わせて魔力を薄く校内全体に張り巡らせて、幻術の和田と本人の動きが自然なタイミングで一致するように操作する。

 全生徒にバレないように慎重かつ迅速に。

 それと並行して。

 武道場から出てきた北条の前に行く。


「あれ? ……小柳さんどうしてここに?」


 疑問の眼差しを向ける北条に、宣戦布告する小柳。


「聖夜の魔法で決着付けるから」


 ただそれだけを伝えて教室に戻った。

 負けられない。負けたくない。絶対に私が勝つ!

 和田を好きって気持ちは誰にも負けないからこそ、北条にだけは負けたくないと思った小柳は再び勇往邁進の覚悟で進み始めた。

 胸元にぶら下がる赤色のトパーズはロンドンブルートパーズ。

 意味は相手の心を射止める、理想の相手を見つける。



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