武闘少女
修行の風景をもっと書き込みたかった思いはありますが激しい戦闘を優先します。
1つの魂は武闘家。しかも女性への転生だ。俺としては誤算だったかも知れない。
名はアイリス。村長の娘として産まれたらしい。
前世の知識はある。動かさせる範囲、気なども鍛錬できる範囲で練り込んでみる。魔法の実験などもしてみると回復呪文に対して反応を感じた。でもまだ形にはならないらしい。
月日は流れ3歳の誕生日を迎えた頃には、多少の体術と回復系や支援いや強化魔法が使えるようになっていた。攻撃魔法については知識はあるのだが何かが足りなくて上手く使えない。不足している何かを補うため習おうにもこの村には師になるような人物が居なかた。
そんな事もあり伸ばせる体術と回復呪文を中心に鍛錬していた。5歳になる頃には村に相手になる大人もいなくなり、森に入っては熊や初期の魔物を相手に戦う日々だ。
また医者などがいないこの村では回復呪文は村では重宝されており回復系呪文の練度は非常に高く。ヒールの他にも解毒や石化、麻痺などの状態異常の解除なども出来までに成長し、プロテクションやブレスなどの強化魔法も多少は使えこなせるようにはなっていた。
そんなある日、森でスタンピートが発生した。
「村長、大変だ森にコカトリスが出た。村民にも被害が出ているぞ」
「アイリスよ、ちょっとばかし様子を見てきてくれるか。ただ、無理は如何ぞ。」父の願いに静かにうなづく。
次の瞬間にはもう彼女の姿は無かった。森に入ると既に一部が石化している。コカトリスを見つけるのにさして時間は掛からなかった。
「日頃の成果を試すには丁度いい。」
ブレスを始めとした呪文を自身にかける。能力向上、身体強化。加えて闘気も練り始める。闘気の一部は拳などに既にまとっている。コカトリスとの距離を一気に詰める。速い、とにかく速い。子供の体なので体重も軽いがそれを補える程の速度がある。コカトリスの攻撃をかわしつつコカトリスの胸元に熱い一撃を入れた。コカトリスは巨体を地に埋めていた。なるほど、スタンピートか。相手は1匹では無かった。まだ、2羽もいる。2羽は連携して攻撃してくるようだ。アイリスは攻撃を丁寧に交わしているが数が多い。捌き(さばき)切れない分は弾き、受け流す見事な技だ。
しかも攻撃を受けているだけでは無い。相手の攻撃の合間にコカトリスにチクチクとダメージを入れている。
ダメージが溜まりたまらなくなったコカトリスの1羽が逃げに転じた。機を逃さず頭部に蹴りの一撃をかます。更にもう1匹地に伏せた。最後の1羽にはもう闘争心は無かった。されるがままに攻撃を受けている。動くサンドバック状態だ。動かなくなった3匹にとどめを刺す。
その後は逃げ遅れた村人の捜索に入る。石化した者2名。麻痺者が一人。毒に侵されいる者が一人。先ずは毒に侵された患者の回復を始めた。
戻ってくるのが遅かったので何名かがアイリスの探索向かわされていた。
彼等と合流し石化した2名を村まで運んで貰う。コカトリスの解体は明日にしよう。
村に着くと石化した2名を丹念に調べる欠けた所がない事を確認すると石化解除に入った。
無事二人とも生還を果たした。
脅威も去り滋養強壮の効果があるコカトリスの肉を肴に宴が開かれた。
「強くなったとは思っていたがこれほどとはな。」娘が村を後にするのが近いと父は感じていた。
後日、コカトリスの革を使った防具を作りアイリスへ与えた。
アイリスも防具を身につけると修行に出る日が近いと感じ取っていた。