恩師の残光
書き続けていて思います。みんな、長文書けて凄いなと。。私も頑張らないと。
「死ーね、死ね、死ね、消えてしまえ。グラビティ!からのチェーンライトニング!」重力魔法からの稲妻による広域の範囲魔法が炸裂する。数体の天使が強力な力に締め付けられ地に伏せた。そこに頭上からは複数の雷が襲ってくる。
まだ生き残っていた1体が炎に包まれ絶命する「フレイムストライク」声の主はウォルター。かつて俺の魔法の師匠である。
燃えさかる街並みの元には逃げ切れず天使たちの餌食になった人々の骸が点々と転がっている。恐らく骸は街を守る為戦った勇敢な冒険者、戦士や魔術師たちだったと思われる。中にはドラゴンを倒した強者も居ただろう。が天使の力量や神器の前では攻撃が及ばないのかも知れない。しかも天使は3体。人や亜人には少し荷が重かったのか知れない。
「いい街だったのにな」と師匠が呟く。いっ時前までは人々が平和に暮らしていた街並みが無惨な光景である。
そう天使は突如現れた。ただ以前から襲来の可能性はあった。人口が増え神々への信仰が薄れ始めていた時期でもある。
人が増えると間引きの為、信仰なき世界には神罰の為に天使が送り込まれるらしい。
細かな定義や条件までは分からないがそう言う伝承がある。
「ゲイルよ、この光景を良く心に刻んでおけ、これが天使と言う天災が蹂躙した成れの果てだ」静かで優しい口調だった。「俺たちがもう少しだけ早く辿り着けて居れば少しは救いはあったのかな」とウォルターは話を続ける。
「俺は北の神殿に行こうと思う。威力偵察と自身の力量を測りたい。」
「俺も行きますよ。多少の魔法支援は出来ます。」とゲイル
「ダーメ。お前さんはまだまだ強くなる。伸び代がある内は修行に励め。」
「それに最悪、一人なら逃げ切れると思っている。神殿は良い噂を聞かない危険な場所らしいからな。」
「慎重を持って事に当たりたい。」大棚な師匠にしては弱気な発言に思えた。もしかしたら、この時既に自身の死も予感して居たのかも知れない。
翌日出発した師匠の姿を最後にもうその勇姿を見る事は無かった。一年が過ぎても師匠は帰らず、さらに数年の月日が流れその死を風の噂に知った。天使の猛攻に耐えたが、神の一撃には耐えられなかったそうだ。「一人なら逃げ切れるって言ったのにな」
そして師匠の形見の品を渡された時、自身の身体に何か大きな魔力を注がれるのを感じるのだった。。
思えばアドニスは恩師の仇だったのかも知れない。