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ルーレット10

 俺と亀は海の中へと侵入した。


「もががっががあああ!」


 もちろん俺はおぼれてしまっている


「ごひ! ごひごひ!」


 俺は頑張って亀に訴えかけるが、口に水が入ってきまくってなかなか言葉にならない。


「ああ、すみません」


 その亀の声が聞こえてきたと思ったら、途端に息苦しさが改善された。


「おい! いきなり何すんだよ! めちゃくちゃ苦しかっただろ!」

「すみません、補助魔法を使うのを忘れていました」

「ふざけんな! もうきれちゃうからな俺!」

「なんでそんなに怒ってるんですか。ちょっと死にかけた程度じゃないですか」

「くっそー、まあいいよ、で、これはどこに向かってるわけ?」


 俺は現在海中を遊泳していた。

 水の先まで綺麗に見えており、いろいろな魚も泳いでいる。普通にいい光景だ。これはなかなか良い感じだね。やばい、不思議と気分もあがってきたな。


「申し訳ありませんが、それはいうことはできません」

「うそだろ、どういうことだよ。教えてくれよ。不安すぎるんだよ」

「まぁ、行けば分かりますよ。本当に申し訳ありませんね。私の主からのお達しで、口は常に固くあるように言われているので」

「そういうことなのか、なるほど納得したぜ! それならそうと早く言ってくれよな!」


 そうして俺は亀の背中に乗って海中を遊泳していった。

 正直何が起こっているのかわからないが、まぁ何かがおころうとしてるんだよ。

 これが運命の選択というやつだな。俺は運命の命ずるままに身をゆだねるまでさ。ふっ、決まったな。


 そうして背中に乗っていること十分ほど。

 海中の先になにか建物が現れてきた。

 おお、もしかして到着するところはあそこかな。


「見えてきました。あそこです」


 やはりそうらしい。

 その建物はすごく豪勢な作りだった。

 金色の装飾で塗り固められており、かなり巨大だ。

 これ俺の実家なんこ分だ!?

 正直びっくりだわ。これは本当にすごいな。


 そしてゆっくりと亀はその建物へと近づいていった。

 近づいていくとこれまた豪勢な門のようなものがあり、そこまで移動した。

 そしてその門のそばには数人の女性の姿があった。

 いや、なるほど、確かにあれは女性ではあるが人間ではない。

 上半身は確かに人間のものであったが、下半身が魚のパーツになっていたのだ。

 やばい、これは俗にいう人魚というやつだな。

 しかもかなり美人だしすごいな。


「通してください。これがパスポートです」


 亀は懐から貝殻のようなものを取り出し、人魚の一人にみせた。

 するとそれを受け取った人魚はしばらくその貝殻を見つめたあと、こくりと一つうなずいた。

 そして他の仲間へと目線で合図をとばす。


 すると次の瞬間、門が開閉し始めた。

 なるほど、どうやら中に入れるらしい。


「本当にこれはどこにいくつもりなんだ? マジでわからん。やばいいまさらだが不安になってきたぞ」

「大丈夫ですよ。付けばわかりますから。安心してください」


 そういうことらしかったので、俺は大人しく言うことを聞いておくことにした。


 そしてやはり豪勢なつくりの内部にはいり、その後いろいろな部屋と通路を経由し、その建物の内部にどんどん入りこんでいく。

 もちろんまだ亀に乗ったままだ。

 そしてやがて、これまでで一番豪華で立派な扉の前へと到着した。

 扉の前には魚人族のような屈強な男がふたり、槍をもって構えていた。


「これをどうぞ」


 そして亀は再び貝殻をその男らにみせた。

 おい、またパスポートみせるのかよ。いちいちめんどくせーな、いいだろ顔パスで。そんなに偽物とかおおいのか? そんなんだったら、その貝殻を盗んでしまったらその偽物もスルーパスできじゃうじゃん。大丈夫かこの防衛網。


 そうこう考えているうちに無事許可は通ったらしく、ゆっくりと扉が開いていった。


 そしてそれに合わせて亀もゆっくりと中に入っていく。


 そしてその先にいたのは……


「ようこそじゃ、待っておったぞ」


 一人の小柄な少女だった。

 しかしただの少女ではない。その姿は優雅で黒髪が綺麗で、ただただ美しかった。

 見た目は普通の人間の子のようだったが、ここは水中にもかかわらずポンプとかそういった類のものも何もつけていない。

 普通ならおぼれ死んでいるところだろうから。やはりこの子も魔法的な何かを使っているのだろう。

 その点からしてもそうだし、こんなにいかにもそうな場所にいることから考えても、やがりただ者ではなさそうだということは確かだった。


「えーっと、その口ぶりだと、俺に用があったんですか?」


 俺はすかさず尋ねた。


「そうじゃ、実はお主に頼みたいことがあってのう」

「頼みたいことですか? 肩のマッサージとかですか?」

「そんなわけないじゃろう。膝のマッサージじゃよ」

「いや、そんな冗談はよしてくださいよくだらないので。で、なんですか」

「どんな性格じゃ。まぁよい、お主にはな、この海を救って貰いたいのじゃ」


 ……この海を……救う?


 どうやら話はよく分からない展開に飛躍しようとしていた。

 どうしたものかね。ま、やれるだけやってみようか。

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