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二十一話 夜の会話 with天使様

「そういえば、柏木、お前携帯持ってないのか?」

「持ってないけど、どうしてかしら」

悠希の質問に少し嫌そうな顔をして汐音が答える。

汐音ほどの美少女ならお近づきになりたい男共に連絡先を聞かれて、飽き飽きしてきたという感じだろうか。


「いや、お互い連絡取りあえた方が何かと便利だと思っただけだ、足りなかった食材も連絡してくれれば、帰りに買ってこれたしな」

「それはそうだけど……」

悠希の言葉に同意は示したものの、汐音の表情は芳しくない。

恐らく、金銭面のことを心配しているのだろう。


「お金のことなら別に心配しなくていいぞ、そのうち返してくれれば」

そう言うとしばらく、悩んでいた汐音だったが、決心がついたのか、いつになくしおらしく、「矢城君、お金貸してくれるかしら」と頼んできた。


「お金は七月には返すわ」

「七月?」

それはずいぶん早いな。

高校では長期期間を除いてアルバイトは禁止されていたはずだが。

そう疑問に思って首を傾げていると、汐音が理由を説明してくれた。

「海皇高校は成績がトップクラスの人の授業料免除とテストごとに成績上位トップ5の人にはお金が振り込まれるの、いわゆる特待生制度ね」

「そんな制度があるのか」

興味がなさ過ぎて全然知らなかった。


少し驚いた表情を浮かべると、汐音に呆れた表情をされた。

「矢城君って本以外のことに全然興味ないのね」

「まあな」

「別に褒めていないのだけど」

得意げに言うと、汐音に軽くとがめられた。


「因みに、その特待生制度で振り込まれる金額はどれくらいなんだ」

少し面倒くさそうにしながらも汐音が丁寧に説明してくれる。

「一位が十五万円、二位が十万円、三位から五位が五万円よ」

「結構大金なんだな」

道理でテスト前になると、特進クラスの生徒の目の色が変わるわけだ。

あれはテストで点を取りたいわけではなく、金銭のためだったんだろう。


「携帯買いに行くの、今週の土曜日でいいか?」

「ええ、私はいつでも大丈夫よ、特に予定もないし」

「柏木って友達いないのか、普通、高校生ならもっと遊びに行ったりするものだろう」

「矢城君にはいわれたくないのだけど……それに、矢城君よりは多いわよ、友達」

中々、鋭い指摘が返ってきた。

「なら、なおさら、誘われるものじゃないのか?」

「断っているだけよ、お金も時間も私にはないもの」

汐音は生活していくためにも、勉強に時間を費やす必要があるのだろう。


「矢城君は遊んだりしないのかしら、伏見君と雪平さんと仲がいいんでしょう」

ああと答えようとして、日曜日に諒真と約束をしたことを思い出した。

「日曜日に伏見が勉強のためにここに来るぞ」

「勉強?普通クラスで何かテストでもあるのかしら?」

「いや、野球部はテスト期間が大会とかぶるらしくてな、今が、テスト休みみたいな感じらしい」

「それなら、日曜日は図書館に行くことにするわ」

気を使って汐音がそう言ってくれる。

「すまん、助かる」

その後は汐音が食器を洗っている間に悠希が風呂を沸かし、本を読んで時間をつぶす、という最近習慣化してきた行動をする。

最初は風呂洗いも汐音がしようとしていたのだが、それだと汐音の負担が大きすぎると悠希が粘って風呂洗いだけは悠希がすることになった。

もともと一人の時も、風呂には毎日入っていたので、大して悠希としても負担はない。

ただ、風呂を洗っただけで、汐音から毎日、感謝されるのはこそばゆいが。

その時は悠希も汐音に家事をしてくれてありがとうの感謝をできるだけ伝えるようにしている。

そのたびに耳を赤らめて恥ずかしがる汐音は相変わらず可愛らしかった。

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