あーくんの1日 3話
楽しんで読んでにゃん
えーと。イギリスの首都はロンドンで、スリランカの首都はスリジャヤワルダナプラコッテか。
あー、全然覚えられる気がしない。
テスト本番は明後日。
それに向けてリカと2人でテス勉をしている。
「なんか、のどかわかない?」
僕は休憩したくなったので、リカにそう声をかけた。
「うん、のどかわいたね。あ、そうだ。ジュースおごってよ」
「いや、逆に僕がおごってもらいたいな。じゃあ、じゃんけんで負けた方が罰ゲームね」
「オッケーだお」
こうして、ジュースのおごりをかけて、じゃんけんで勝負することになった。
「あ、ちょっと待って」
「あ、うん」
すると、リカはなぜか屈伸しだした。
じゃんけんの前に屈伸?わけがわからない。
「何してんの?」
「なにって、準備体操だよ。怪我しないように」
「じゃんけんで怪我するって聞いたことないけどね」
これ以上何言っても聞かないだろうと判断したので、リカが体操を終えるまで待ってあげた。
そして、深呼吸が終わるのを見届け、僕は口を開いた。
「それじゃあ、じゃんけんしようか」
「うん、そうだね」
最初はグー、じゃんけん…
「あっ、待って」
もう少しでぽんを出すところで、リカが待ったをかけた。
「なに?」
「勝つための呪文唱えるの忘れてた」
「あー、はいはいどうぞ唱えてください」
僕はうんざりしながら待っている間、リカの口から意味不明な言葉の羅列が飛び出すのを聞いていた。
どこで知ったんだ、そんな呪文。
しばらくすると、呪文タイムが終わり、じゃんけんを始める。
最初はグー、じゃんけんぽん
僕はパーを出した。
そして、リカはというと、グーを出していた。
あっさり僕が勝った。
「じゃあ、約束どおりリカがおごってね」
はずんだ声でそう言ってみると、突然暴言を吐かれた。
「あーくんのケチ。スケベ。短足。いつも鼻毛が出てるブサイク野郎!」
いや、僕鼻毛出てるんか。
ずっと鼻毛出てるの気づかないまま今まで過ごしてたのか。
僕はちょっと恥ずかしくなった。
結局、リカはじゃんけんで負けたにもかかわらず、全くおごってくれそうになかったので、僕がおごることになった。
ほんとにさっきのじゃんけんは何だったんだ。
今日も虚しい1日であった。
読んでくれてありがとうだにゃん