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二重惑星  作者: 淀川馬琴
地球と天球
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死の嵐

地球で始まった宇宙公社紛争はどんどん周りを巻き込み、

世界大戦へと拡大していく。


今や攻撃の理由はどうでも良かったのかもしれない。


独占された技術を奪い大国の経済は回復した。

その行為を見過ごせない国々が大国に制裁を掛ける。


経済的な対立なのか、

もともと天球を巡る思想の対立だったのかもわからない。


ただマウは孤立した。


経済でも思想でも宇宙公社月光は紛争の中心に居る。


宇宙公社月光が戦火の中心にある以上、

地球からの通信も支援も困難だった。



地球と通信不能になった時は、ただ生き延びる事だけが優先される。

マウは天球人追跡を諦めた。


当面の問題は食料。

ドラゴンを避けつつ川魚を取り続けた。


一方そのドラゴンは巨体を維持する為か、

環境を破壊する勢いで生物を食い荒らしている。


エサが減ると、元々巣がばれているマウも狙われた。


ある日、とうとうドラゴンはマウのシェルターから離れなくなった。


どちらかが餓死する籠城戦だが巨大なドラゴンの方が不利なはずだった。


しかし、意外に三日ほどドラゴンは居座っている。

地球の常識が通用しない事も有る。


マウは食料よりも水を必要としていた。

シェルターに浄化装置は有るが、川の水を汲みにいかねばならない。


地球は応答しないし、対するドラゴンは川の水を飲んでいる。

マウは死を覚悟した。


だがどんな生命もいつかは死ぬ。

食物連鎖の頂点、無敵のドラゴンも例外ではない。


ひらけた場所である川沿いで、

シェルター前に待ち伏せし続けたのは確実にマウを仕留める正しい狩りの方法ではあったが。



その日、激しい雨が降って来たがドラゴンは雨宿りで森に帰る事もしなかった。

もう寿命だったのかもしれない。


その巨体に雷が落ち、ドラゴンは死んだ。

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