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二重惑星  作者: 淀川馬琴
地球と天球
6/25

進化でも発明でもない物

始めは大国の宇宙研究所だった『月光』だが、

不況と紛争で予算が少なくなったある時、

主なメンバーの半分が大国を捨て、

永世中立国の公社として分離独立した。


帰還不能の危険なミッションも、

いち早く実行できたのは独立による影響だった。


全世界が注目するマウの動向で得る広告収入も、

今後しばらく留まる事は無いだろう。


こうして『月光』は巨大独立企業となった。


だから月光の宇宙競争の相手はその大国の宇宙研究所になる。



マウを治療する事に特化した船内で数日間安静にしている間、

毎日月光のメンバーから励まされた。

マウは次第に回復し、最後には好物の焼き肉を食べて全快した。


マウを襲った恐竜は「ドラゴン」と名付けられ、

観察の結果ほぼ夜行性で間違いなさそうだった。


対岸の人影「天球人」は地球人の半分程度の身長で子供なのか成人なのか不明。


元気になったマウは川を泳いで渡り、オルゴールを直接渡す事になった。


医療船の治療で使い終えた部品と天球の植物でいかだを作る。

そして川を渡って水汲みに来る天球人を待った。



天球人の文明はまだ石器時代。

「ドラゴン」と激しく生存競争をしている。


対岸のドラゴンは大きく強くなりすぎた個体。

天球人は川を渡って逃げたのである。


ドラゴンは通常大きくてもクマ程度なのだが、あの個体はゾウ程はある。


地球で地球人が文明を築いていた間、天球人は恐竜と戦い続けていた。

文字すらまだ定まっていない原始の人。


マウが声を掛けたのは水汲み担当の「ミキ」。


マウ『こんにちは』


ミキ『!』

ミキは逃げた。

マウは追わない。



数十分後、数人の天球人が川辺に現れた。

今度はマウの姿は無く、オルゴールが置かれていた。


天球人はこれ以降、「進化」や「突然変異」ではなく、

「技術開発」や「発明」でもないスピードで発展する。


その変化は二重惑星にのみ存在する新たな言葉で表される。

『共球』

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