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二重惑星  作者: 淀川馬琴
地球と天球
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不知火

有事の際にとっておいた非常食と解熱剤を服用した。


しかし解熱剤の効能は朝までは持たない事が分かった。

痛恨のミスかも。


仕方なく身動きが取れなくなる前に、

つまり日が沈みかけている今から行動を開始するしかない。


天球の植物で作った棒に地球の布を巻き付けて作った松明を燃やし、

宇宙船だった「いかだ」で対岸に渡る。


オルゴールは30cm四方の金属箱。

重いが紐で肩から掛ける事が出来る。



川辺にたどり着くとマウの体力は尽きた。

夜が明けるまで生きているかどうか。


その前に未確認の夜行性肉食動物に襲われるかもしれない。


オルゴールは夜は鳴らないようになっているが、

あとは松明を消すか点けたままにするか。


マウは松明を消さなかった。


暗闇では地球しか見えない。

ここ数日毎晩見上げていた地球を今夜も見つめた。


オルゴールに松明を立て掛けて寝転がり、周りを見渡す。


陸地はどこも天球の植物による森になっている。

川の対岸、人影が消えた方角に明かりは見えない。


地上の暗闇に目が慣れてくると野生動物の瞳が光って見え始めた。

明かりを点けていなかった無人島の夜では見えなかった光景。


松明は野生動物の視線を集めた。

しかしその瞳が左右に散って消えていく。


そしてその闇間に今までよりも少し高い位置に瞳が見えた。


めまいなのか、錯覚なのかも分からない。

マウが松明を持ってかざす。


森の中から迫る瞳、それは巨大な爬虫類の瞳だった。


懸念していた大型肉食動物。

森で夜に狩りをする者。

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