修羅場と化す
兎に角、色んなお客様が来店される中でも一番迷惑なのが《不倫現場を妻に見つかった夫》の修羅場。こちらとしては、あくまでもお客様な訳で夫婦の揉め事は他でして下さい、と言うのが本音なんですよね。車で来店して部屋に入ったすぐ後にフロントに来て『今、入った二人の部屋は何処?浮気しとんねん!ちょっと部屋を開けてんか!』『申し訳ございませんが、そういったプライバシーに関わる事はお教えすることは出来ませんので。』『プライバシーちゃうねん!私の旦那や!見逃せる訳ないやろ?あんたら浮気相手の味方する気か?』『そういう訳ではございませんが、こちらと致しましては対応致しかねますので。』そんな押し問答がフロントでされてる事も知らずに、そのお二人は今頃…な訳で。
『ほんならココで待たせてもらうわ!二人が出て来たら現行犯やから逃げられへんわな!』『それは他のお客様のご迷惑にもなりますので、ご遠慮いただきたいです。』『ほらまたアイツらの味方するんか?なら、車で待たせてもらうから車の鍵出して!』『その場合は、ご本人様に了解を得てからでないと駐車場係から鍵を渡してもらえませんが。』『車の名義は私や!』延々と続く押し問答…
フロントとしては、兎に角揉め事は他でお願いしたい。そのお客様の部屋に電話をかけて、事情を説明する。焦る夫…そこで奥の手を伝授する。『先づ、お連れ様を先にお帰りいただいて下さい。エレベーターは地下まで繋がっておりますので、従業員用の出入り口をご案内致します。その後お一人で清算してお帰り下さい。その後の事は、こちらとしては対処致しかねますので、宜しいでしょうか?』 後は想像通りの修羅場である。妻は夫が精算を終わらせて駐車場へと向かうのを待ち受ける。夫は体調が悪くなったから一人で休んでたと言い訳する。妻は二人で入るとこを見てたと夫に掴みかかり、女を逃した事を責める。兎に角鬼と化した妻から逃げ惑う夫。そんな夫をよそ目に妻は強行手段に出る。車の鍵を取り上げ自分で運転して駐車場の柱にワザとぶつける。夫、慌てて止めに入る。バックして夫を轢くつもりか、ヤバイ!仕方なくスタッフも止めに入り決めの台詞を言うしかない。『これ以上ココで揉められると営業妨害で警察を呼びますよ!事故として扱うのは駐車場内では無理ですから!ただし柱の修理代を請求させて頂きますので免許証をコピーさせて下さい!』
この辺りで大抵の場合は両者ともに落ち着く。刃傷沙汰になる前に止めなければ…なのである。やれやれである。浮気夫の味方をして浮気相手を逃して…後味の悪い事だけど、これもラブホならではの事なので仕方ないですからね〜!浮気する時には、どうかくれぐれもご注意下さいませ(笑)やっぱり車は見つかりやすいですよ〜
探偵さんに証拠写真をバッチリ撮られた方もおられますから〜