営繕さんとヤッちゃんのお仕事
ラブホだけではなく、ホテルや旅館には《営繕》さんがいる事が多い。営繕⇒部屋や水廻り等の修理、改装をする人。ルームスタッフだけでは対応出来ない事を清掃時に見つけたら、営繕さんに依頼します。営繕さんの仕事は多岐に渡り、毎日コツコツとあらゆる所の補修や点検をしています。電球の交換やトイレの水栓金具(タンク内のチェーン)の調整、シャワーヘッドの交換、壁紙の補修、ベッドの軋みを直す等々…毎日いくらでも仕事があります。
場所が場所だけに《音》に関しては細心の注意を払って作業をしてますが、時にはコンコンと釘を打つ作業も。そういう場合は、前もってその部屋の上下階と両隣を売り止めにして作業します。そうでないと昼間であろうとラブホだけにクレームの電話がフロントにかかってきます。24時間営業なので避けようがない事案です。
あと、月に一度のエレベーターの点検日…階段を使用して頂かないといけないので、売り出せるのは六階建てのラブホでも三階までが限界です。三階までの階段を登ったお客様がエレベーター横のドアを開けて廊下に辿り着いた時には、大抵ひと息ついてから部屋へと向かう姿がモニター越しに見られます。勿論、事前に承諾を得てからの御利用とさせて頂いているのだけれど、エレベーターにしろ営繕さんの音にしろ、やはりクレームをつける方はおられます。…で、またドリンクやデザートのサービス(笑)
一度、ヤッちゃんぽいカップルがイチャモン的なクレームをフロントに電話してきた時の事、受話器の向こうから大声で怒鳴りちらしてた。こちらも何とか怒りを鎮めようとお詫びしつつ、ご理解いただく様に話す。それでも飽き足らず大声で喚いているので、少し受話器を耳から離していた。その時にたまたまロビーに入って来られたカップルが、また明らかなるヤッちゃんで…フロントでの受付業務をお待ち頂く羽目になっていた。受話器からは怒鳴り声…オープンになったフロントはロビーからも内線電話のかかっているパネルが見えていた。それをチラッと横目にそのヤッちゃんがエレベーターに向かった!ヤバい!
受話器を持つ手を一旦テーブルに置いて『お客様、お待ち下さい!』『ええから、ちょっと待っときぃや。何も迷惑かけへんから。』こちらはモニターを見守るしかない。案の定クレームのヤッちゃんの部屋のドアの前に立ち、思いっきりドアを蹴ってから叫んだ!その声は勿論、直接聴こえた訳ではなくテーブルに置いた受話器から聴こえた。『じゃかあしいんじゃ〜!ごちゃごちゃぬかしよったら、お前の車いてもたるぞ!おぅ?お前○○ンとこのガキやっちゅうのん判っとんやからのぉ!文句あったら●●の事務所まで来んかい!解ったら電話切って、チャッチャとやる事やって帰れや!おぅ?』
フロントへの電話は切れていた。そして後から来られたヤッちゃんがフロントに降りてきて『驚かして済まんかったなぁ(笑)この頃のガキは口ばっかりで、なんもようせん奴ばっかりや!まぁ堪忍したってや。』そう言って部屋を選んで再びエレベーターに乗り込んで行かれた。その後、電話はかかってこなかった(笑)
もうドキドキもんです。色んな事がありました。毎日、色んなお客様が来られて、色んなドラマがありました。超有名プロスポーツ選手もお忍び?で来られました。芦屋の定宿抜け出して!超有名芸能人?も来られました。変装しても声は○○○パワー!二組のカップルで来られて、一時間位して女性が部屋を交替される事もありました。本当は駄目なんだけどソコはもう黙認です。まだまだ色々書き残した事もありますが、取り敢えず今夜で《ラブホにて…》は終わります 。
追伸/チェックアウトする時に『もう終わったから帰るわ』なんて言い方しないでね〜!側で聞いてるお連れ様と喧嘩になるよ〜!本当にあるんよ〜(笑)