嵐の夜
酷い雷の夜があった。その日はフロントの仕事を終えてバイト先(居酒屋)にいる時の事…どんなけ仕事しぃやねん(笑)ホテルから携帯に電話があって『直ぐに来てもらえないか?』との事。外はまだ雷雨が続いてて戸惑っていたら、フロントが大変な事になっているとか…仕方なく急遽タクシーを呼んでホテルに向かった。
ホテルに着くと、近隣のチェーン店からも応援が来ていて尋常ではない様子。ホテルとフロントの中は停電で非常灯がついている。そこに各部屋から電話が鳴りっぱなし!落雷のせいでコンピューターがヤラレてしまったようで、全てを管理しているパネルも緊急時を知らせるランプが点灯、機能しなくなっていた。内線電話は一本しかなく、お客様の電話が鳴っては事情を説明、切ってはまた鳴るの繰り返し…
『部屋が停電で、どうなってるんや!』『もう帰るから清算してくれ!』『何度かけても話し中やないか!』フロントも電話の嵐だ!メンテナンスの会社に電話しても、あちこちで同じ様になっているのでいつそちらに着くか解らないとの事…もうお客様には兎に角、謝るしかない。清算したいというお客様の部屋の開錠も出来ず、明細書すら上がってこない。何せコンピューターが駄目になっているから当たり前なのだけどね。 『今、暫くお待ち下さいませ。こちらも対応に追われておりまして、ご迷惑をおかけして申し訳けございません…』の繰り返しだ。急いでいるから、どうしても今直ぐに帰らなければならないと言うお客様には、合鍵で開錠して基本料金のみを頂くしかない。損得とか言っている場合ではない。兎に角、お客様にご迷惑をおかけしているのだから。それも手計算で確認しながら延々と続く。諦めてお待ち頂けるお客様には、感謝の言葉をかけて、闘い続けること約二時間!
やっとメンテナンスの人が着いて、パネルの復旧作業を進めてもらうが、停電だけはどうしようもない。雷が遠のいたからといっても、すぐに直るものでもない。約二時間程バタバタとしてやっと復旧作業も完了…もう真夜中になっていた。お詫びの電話を入れたくても、この時間…諦めておやすみになられているかも知れない。だからと言って放っておく訳にもいかず、やむなく各階の廊下からの声掛けで復旧作業の完了をお知らせする。そうしてやっと静かな夜に戻った。
ウチに帰り着くともう明け方で、明日の朝は寝不足でスーパーの仕事か〜!と諦めて、また午後からはホテルのフロントへと向かった。昨夜の担当のフロントさんに聞くと、あれからは苦情もなく、モーニングサービスの時にお詫びを言って廻ったらしい。その時に滞在していたカップルの方は皆、『大変やったなぁ〜』『あのままココで死んだら洒落ならんし(笑)』『ええ経験さしてもろたわ!』とか、とても好意的だったそうだ。心の広いお客様には改めて感謝の日でした!
あと、火災報知器が作動した事もあったね〜!その時も同じ様な大騒ぎ!そりゃそうだわ(笑)こんなトコで火災に遭って死にたくはないよね。その時の原因は、お客様が何と!室内で、たまたま持っていた花火をしたらしい!そりゃ感知するわなぁ〜(泣)部屋はスプリンクラーで洪水!皆様どうぞ、そ〜ゆ〜事だけは、ご勘弁のほど宜しくお願い致します(泣)