戦う理由
お絵かき対決で久々にダーシー描いたので書きたくなった。
更新空けて本当にすみません。
──夜の酒場。
ダーシーとベネットがカウンター席で肩を並べて酒を飲んでいる。初夏の頃、彼らは少し首元が汗ばんでいる。
「お前と飲むの、何年ぶりかな」
「馬鹿の一つ覚えみたいにジントニックばっか飲みやがって」
「恰好いいじゃねぇか、ジントニック」
ダーシーはジントニックを飲み、ベネットはウォッカを飲む。
「お前とはよく喧嘩したもんだ」
「まーな」
ベネットは、サングラスの奥に何かを隠したように、俯き、
「……お前、イライザ倒したらどうすんだよ」
ダーシーは、ちらりとベネットを一瞥し、またジントニックに口をつける。
「……お前を呼んだのは、それが本題じゃない」
「とっとと言え、ガキ」
ダーシーは少し青筋を立てたが、煙草に火をつけて呑み落ち着け、
「……ジョーカーズのことなんだがな」
「……ああ?」
「……お前に、ジョーカーズを救うだけの覚悟はあるか?」
ベネットがサングラス越しに一瞥する。
「ちょっと話が飛躍しすぎてねぇか?」
「冒頭で注意を引き付けるのがプレゼンの基礎だ」
ダーシーはからんと氷を鳴らす。
「俺は先日、天界に行った」
「ほう」
「そこで、ローズというジョーカーズが熾天使に捕らえられているらしいと分かった」
「そんな奴のために天使を殺せと? お前気がふれたのか?」
「俺は──」
ダーシーは上を向いて。
「天使が過ちを犯すと知って、非常に動揺している」
ベネットは舌打ちをする。そして、ボトルをグラスに注げる。
「ベネット、お前はどう思う。俺に協力するか? それとも賢明な判断を下すか?」
「賢明な判断っつーのは少し盛り過ぎじゃねぇか? アイロニーにしちゃあ」
へっとダーシーは笑う。
「お前の虫唾の走るのを見るのが俺は楽しくてね」
「お前そんなSだったっけ?」
「どうでもいいわそんなもん、答えを聞かせろ、ベネット」
「──俺の答えは」
ベネットはウォッカを一気飲みする。
「──お前には劣るが、戦いのあるところにあるという主義があるんでね」
「──行ってくれるんだな」
「ああ」
ダーシーとベネットは見つめ合い、拳をぶつけあった。
「このことにはウィッカムや女子社員たちには内緒にしておこう」
「律儀なところは今も変われねぇな。で、天界にはどうやって行くんだ?」
突然酒場の戸が開かれる。
「せめぇ酒場によく来たな」
前を見つめたままダーシーが言う。
「熾天使、キャルドンさんよ」
キャルドンは、冷たい視線をダーシー達に送っていた。




