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ベネット遠征伝~女を汚す奴は、許さねぇ!~  作者: 神羅神楽
第十章 ローズ~天使の矜持~
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戦う理由

お絵かき対決で久々にダーシー描いたので書きたくなった。

更新空けて本当にすみません。

──夜の酒場。

 ダーシーとベネットがカウンター席で肩を並べて酒を飲んでいる。初夏の頃、彼らは少し首元が汗ばんでいる。


「お前と飲むの、何年ぶりかな」

「馬鹿の一つ覚えみたいにジントニックばっか飲みやがって」

「恰好いいじゃねぇか、ジントニック」


 ダーシーはジントニックを飲み、ベネットはウォッカを飲む。


「お前とはよく喧嘩したもんだ」

「まーな」


 ベネットは、サングラスの奥に何かを隠したように、俯き、


「……お前、イライザ倒したらどうすんだよ」


 ダーシーは、ちらりとベネットを一瞥し、またジントニックに口をつける。


「……お前を呼んだのは、それが本題じゃない」

「とっとと言え、ガキ」


 ダーシーは少し青筋を立てたが、煙草に火をつけて呑み落ち着け、


「……ジョーカーズのことなんだがな」

「……ああ?」


「……お前に、ジョーカーズを救うだけの覚悟はあるか?」


 ベネットがサングラス越しに一瞥する。


「ちょっと話が飛躍しすぎてねぇか?」

「冒頭で注意を引き付けるのがプレゼンの基礎だ」


 ダーシーはからんと氷を鳴らす。


「俺は先日、天界に行った」

「ほう」

「そこで、ローズというジョーカーズが熾天使に捕らえられているらしいと分かった」

「そんな奴のために天使を殺せと? お前気がふれたのか?」


「俺は──」


 ダーシーは上を向いて。


「天使が過ちを犯すと知って、非常に動揺している」


 ベネットは舌打ちをする。そして、ボトルをグラスに注げる。


「ベネット、お前はどう思う。俺に協力するか? それとも賢明な判断を下すか?」

「賢明な判断っつーのは少し盛り過ぎじゃねぇか? アイロニーにしちゃあ」


 へっとダーシーは笑う。


「お前の虫唾の走るのを見るのが俺は楽しくてね」

「お前そんなSだったっけ?」

「どうでもいいわそんなもん、答えを聞かせろ、ベネット」


「──俺の答えは」


 ベネットはウォッカを一気飲みする。


「──お前には劣るが、戦いのあるところにあるという主義があるんでね」


「──行ってくれるんだな」

「ああ」


 ダーシーとベネットは見つめ合い、拳をぶつけあった。


「このことにはウィッカムや女子社員たちには内緒にしておこう」

「律儀なところは今も変われねぇな。で、天界にはどうやって行くんだ?」


 突然酒場の戸が開かれる。


「せめぇ酒場によく来たな」


 前を見つめたままダーシーが言う。


「熾天使、キャルドンさんよ」


 キャルドンは、冷たい視線をダーシー達に送っていた。


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